観光名所になっている「ボート・キー」で食事でもしようかと出かける。ウォーターフロントの、まあそれなりにロマンティックではある場所に、インド料理、中華料理、シーフード、マレー料理、(なぜか)イタリアン、などなどの店舗がずら~っと並んでいる。テラス席はどこも布のテーブルクロスがかけてあり(あまり地元レストランらしくはない)、白人の観光客がちらほら座っている。

ぶらぶら散歩しながら店を決めようとすると、もう、あっちからこっちから、わんさと寄ってくる、勧誘が。「フリードリンクネ、タイガービール、タダ!ノミホーダイ!」(もちろん日本語だと思う)、とか、「30%ディスカウント、ゼーンブ!」とか、誘拐せんばかりの勢いで腕をつかまれ、店に連れ込まれそうになる。

やば、と思って、「メニュー見せて」というと、一品のLサイズが30ドルとか40ドルとか、Sサイズで12ドルとか15ドルとか(シンガポールドル。1シンガドルは約65円)。ここの生活水準にしてはありえない。これじゃあフリードリンクでも30%オフでも店側はぼろ儲けだろう。

いらない、とふりきって、一本奥の通りに逃げると、ここは地元の人たちが普通に食事をするようなところで、すごくエキサイティングだった。中華、インド、マレー、シーフード、地元の人が、日常に食べているものがずらり。

Photo ローストしたての鴨がぶら下がっている店を選び、ダックライスやダックヌードル、野菜の炒め物などを頼む。ちなみにダックライス一人前は4ドル(260円ほど)。浅黒くスリムなシンガポール美女(仕事帰りの様子だった)たちと一緒のテーブルで食べるダックヌードルはめちゃくちゃおいしかった。ただ、アルコールを出さない店だったので、カクテルコンテストの審査員までやってしまう超のつく酒愛好家としては、タイガービールなしの夕食はやや物足りなかったのであった。

日本語も英語もあまりよく通じなかったが、メニューの絵を指さしつつ、目と手と心(?)で会話してなんとか。帰り際、チップのつもりでお釣りの中から50p(30円ぐらい)を置いていったら、店員が「お客さん、忘れ物!」みたいな形相で追いかけてきて、にこにこして返してくれた。観光地化したホーカーズ(屋台がたくさん並んでいるところ)や有名レストランでチップはあたりまえに受け取ってくれても、こてこてのローカルレストランではそんな習慣はないのか。

ホテルに帰り、シャンパーニュを飲み、刻々と色が変わる華麗なシンガポールフライヤーを窓から眺めながら、今このひと時に濃く浸る(でも、何時間か止まってしまったことがあるというあの大観覧車には、あまり乗りたいとは思わない)。Photo_2

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