「ヴァンサンカン」5月号発売中です。連載中の「リュクシーなモード」で、この春夏シーズンのモードに感じた「ダンケルク・スピリット」について記しています。

ダンケルク・スピリットとは、たとえ戦況は負けていようと、最後まであきらめずに敢然と戦い抜く精神。第二次世界大戦の「ダンケルクの戦い」に由来します。指揮官は、(当然)チャーチル。

経済不況の深刻化がすすむなか、モードだなんてなにを浮ついたことを・・・という逆境にあるのに、陰鬱な空気を一掃するかのような圧倒的な美で感動させてくれるモードに、ひときわそんなスピリットを感じたくなるのです。作り手側がかなり厳しい状況であるだろうに、そんなことをつゆほども感じさせない、力強くつきぬけた美を提案し、時代に立ち向かう勇気を与えてくれる。負けてるかもしれないけど、頭を上げて戦い抜く態度に、思わず背筋がのびる。

「リュクシー」というのは、ヴァンサンカン編集部の造語です。リュクスでヘルシー。頽廃や驕りの気配をともなう贅沢ではなく、ヘルシーで、世にも貢献できるようなラグジュアリー。・・・ってなんだ?ということに当然なるのですが、そんな、現代のムードとぴたり合うラグジュアリーの新定義を、連載を通して考えている途上です。

それにしてもヴァンサンカン編集部の造語力には脱帽する。先月だかも「肖像画ヘア」(静止してたら美しいんだけど、スプレーでがちがちに固まっていて、まったく動かない不自然なヘア)、その前だかには「リムジンヒール」(リムジンからレッドカーペットへ移動するためだけにつくられたような、おそろしくアートしているヒールの靴)。笑いが入りつつ、ずばり、言い得ているところがたまりません。

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