過酷な一日をめいいっぱい過ごし、「痛勤」電車に耐えて最寄の駅に降り、なんだか心身がどうしようもなく疲れているなあ・・・と思う日には、駅構内の神戸屋ベーカリーに立ち寄る。

理由はただひとつ。えもいえぬ美しい笑顔の店員さんからパンを買うためである。

彼女の名前は知らない。彼女も、おそらく私の名前など知らない。でも、いつも「お帰りなさい!」という心からの(と感じさせる)あたたかな笑顔で迎えてくれる。特別美人というわけでもない、名も知らぬ店員さんの、この笑顔に、一日の疲れとかいやなことだとかが、ふわっと溶けていく思いがする。仕事上の「スマイル0円」ではなく、ほんとうにおだやかで慈愛に満ちたスマイルである。オムロンの「スマイルスキャン」なんかでは到底測れないだろうと思われる(口角の上がりとか、目じりの下がりとかの、カタチの問題じゃないのである)、心から心に届くような笑顔。

雇い主は、わかっているだろうか、彼女がいかに売上に貢献しているかを。別にパンとかケーキとか食べたいわけではないときでも、ただ、店員の笑顔にハードな一日をふんわり癒されたくて買っている客がいるのですよ? しかも下心ある男ではなく、ごくふつーの中年女性客(笑)。

先日の茂木健一郎さんとの対談で、印象に残っていることばがある――「顔がきれいとかきれいじゃないとかはあまり問題にならない。自分自身と調和している女の人こそが、魅力的に見えるなあ」

自分自身と調和している人、と聞いて思い浮かんだ顔が、まさにこの店員さん。

人を癒す力をもつほどの笑顔の持ち主になれれば最高だと思うが、その秘密は、「自分自身との調和」なのかも? それが難しいからこそ、あれこれ悪あがきしているんだが。

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