最近のメンズグルーミングの流行について、「UOMO」(集英社)から取材を受ける。パナソニックから出ているメンズの美顔器(毛穴吸引器とか、イオンスチーマーとか)の紹介を兼ねての記事になるらしいが、いやあ、びっくり、時代はついにそこまできていたのか。

美顔器の構造そのものは女子用と変わらないらしいのだが、容貌が黒っぽかったり若干大きめだったりするところで「メンズ」を主張している。メンズコスメ(スキンケア)はすっかり定着した感があって、なんだか肌のきれいな男性が増えたなあとは漠然と感じていたが。男性はいったんはまるとマニアックに走る傾向が強いみたいで、フルラインのケア(洗顔、パック、ローション、美容液、乳液、クリーム!)のその先を追求すれば、エステとか美顔マシンとかになるのは必然だろうか。詳しくは本誌で。

グルーミングやメイクに関する異常なほどの関心の高まり(男女を問わず)については、連載している携帯サイトにも書いたばかり。だが、携帯サイトに書いていることは、誰からも反応がない。携帯の小さな画面でまとまった文章を読むことが、私自身、できないというところがある(苦笑)。紙媒体で活字になったものには誰かが何か意見や感想を言ってくれて、ああそうかと思い、パブリックを意識して軌道修正しながら次に進む、ということができるのだが、携帯の文章ではまったくそれがない。これを読んで誰が何を感じているのか、フィードバックがないと、だんだん文章にハリがなくなってくる。「パブリックの目」というのはかくも強大な影響力をもつ。こんなんじゃいかん、その目を自分のなかにもちつづけてこそ真のプロだとは思うのだが。誰の目も感じられないところで緊張感をキープするのは、ものすごい精神力を必要とする(それがふつうにできる域をめざしてひたすら修行、ですね)。

グルーミングにおいても、似たようなところがある。パブリックの目を意識しないと、だんだん肌のハリがなくなり、髪の艶が失われてくる。人に見られることを意識し、人の反応をとりこむことで、肌は緊張感をもって「社会化」していくようなところがある。

過剰なほどのグルーミングへの熱中は、自己愛よりもむしろ、強い社会化願望とセットになっているようにも見える。ありのままの自分を愛せず、社会に認められてはじめて、認められた自分を愛することができる、というような。

2 返信
  1. AW
    AW says:

    私はある時靴を磨いていて,ふと,「靴のために630円のステイン・リムーバーと735円の靴クリームを使っているくせに,自分の顔を洗うのにはずっと安い石鹸を使っているのはまずいのでは…」と思い,某化粧品メーカーの洗顔フォームと化粧水を使い始めました。こんな人は滅多にいないと思いますが。

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  2. 中野香織
    中野香織 says:

    AWさん、コメントありがとうございます。髪も顔もボディも同じ石鹸で洗う、という男性はまだまだ主流だと思います(それが健全なのではないかとも)。たしかに、靴磨きの方によりお金がかかっていることに気付いたことが、グルーミング用品を買ってみる動機になった、っておもしろい話ですね(笑)。

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