ワシントンポストのファッションジャーナリスト、ロビン・ギヴァンによる「ミシェル・オバマの100日」というフォト記事に目が釘づけになった。

就任式から100日を経たアメリカのファーストレディの活躍を、ファッションで追っていくのである。就任式、公式写真、ホワイトハウス案内、G20訪問、エリザベス女王に謁見、カーラ・ブルーニとの「対決」、スクール訪問・・・各シーンで賛否両論を巻き起こしたが、いずれにせよ意図的な服装戦略がとられていることがわかる。ミシェル・オバマは明らかに「ファッションの歴史」に名を残す人だ。

ヨーロッパではフランスのカーラ・ブルーニ・サルコジと、スペインの皇太子妃レティシア(離婚歴のある元ジャーナリスト)のファッション対決(とりわけ二人並んだ後姿がうっとりもの・・・ほんものの美女は後姿に意識を注ぐ!)が華麗にことこまかに報じられ、こちらもたっぷり目の保養をしつつ、フランス・スペイン関係がどんなものか、さわりだけでも学ばせていただきました。

こうやって注目を浴び続ける当の本人たちはたいへんな苦労をしていることとは察するが、でもちゃんと世界に向けて、絶大な国のパブリシティをおこなっている。遠い国の、私のようなミーハーな人間は、ファッションを通して、「ああ、こんなことが起こっているのか」とぼんやりとでも時事を知ることができる。

ファッションがそんなふうに政治欄にも食い込んでくるような国では、ファッションジャーナリストも育つ。ワシントンポストのロビン・ギヴァンはピューリッツア賞をとっているし、インターナショナル・ヘラルドトリビューンには名物記者スージー・メンケスがいる。タイムズではリサ・アームストロングが独特の着眼点で記事を書くし、テレグラフにはおなじみヒラリー・アレグザンダーがいる。(フランス語圏とスペイン語圏のことはよくわからないが)

ファッションをとやかく言っちゃいけないような無言の圧力のある日本では、政治や外交の場に出ていく女性は(男性もだが)、自分の服装ができるだけ話題にならないような(としか見えない)無難な装いが多く、骨太な社会派ファッションジャーナリストが育つ土壌もあんまりない。それはそれで日本的な美点かもしれないとも思うのですが。

2 返信
  1. gadogado
    gadogado says:

    カーラブルー二はこういうオフィシャルな場で良家出身オーラを発光しますよねー。タダの元モデルじゃありませんのよみたいな。ミシェルのロンドンの学校訪問でしたスピーチはアメリカンドリームの体現者らしい素晴らしい物でしたね。私のような黒人の貧乏人がファーストレーディーになれたのは一重にeducationとハードワーキングな自分のおかげですと。カーラ(old world)対ミシェル(New world) 。確かにブランドの選択もその辺にあらわれてますよね。

    返信
  2. 中野香織
    中野香織 says:

    gadogadoさん、ファーストレディーたちを深くチェックしていらっしゃいますね!鋭いコメント、ありがとうございます。こういう、政治を象徴するようなファッション「戦」をもっともっと日本の新聞などでも読みたいとも思うのですが…。ま、新聞にそこまで期待するのは筋違いではありましょうか。

    返信

返信を残す

Want to join the discussion?
Feel free to contribute!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です