「次世代産業ナビゲーターズフォーラム」に参加。本日のメインの講演は、武田薬品工業株式会社 代表取締役社長の長谷川閑史さんのお話でした。

「新・日本流経営」と題された長谷川社長のお話からは、これからの日本が国際社会で存在感を示していくために、どのようなことが必要かといったことが(経済音痴の私にも)包括的にわかり、たいへん刺激を受けました。

国内の過当競争のなかで消耗戦になるばかりでは明るい未来がなく、グローバルな競争力をつけていくことが必要な時代であり、そのために企業はどうすればよいのか? といった主に経営者サイドの視点の話だったのですが、教育の現場とか、雑誌や本をつくる場でも応用可能なことばの数々がとりわけ印象に残りました。備忘録がてら、ランダムにメモしておきます。

☆成功している企業の経営者には共通点がある。すなわち、企業理念の伝導師としての役割をはたしていること。人材育成にコミットメントしていること。そしてよいコミュニケーター(内外に対して)の顔をもっていること。

☆今後も強化していくべき日本企業の美点(いくつも挙げられましたが、そのなかのひとつ)に、広義の「ものづくり力」がある。機械をわが子のように愛をこめて作るのは、日本人の特筆すべき長所である。(他国の労働者に比べ)遅刻や欠勤が少なく、定年を過ぎても働きたいという勤勉な国民性は、世界のなかでもユニーク。なにかを取り入れたら創意工夫をこらして差別化する能力は、日本人が並はずれて優れている(例:デパ地下のバリエーションの豊さはおそらく世界一)。

☆グローバルなリーダーシップをとれる人材育成は、急務である。「自然に育っていく」などとのんびりしたことは言っていられない。意識的に育てなければ。グロ―バルなリーダーに必要なのは、全体俯瞰能力+根本要因・本質把握力+公平公正・オープンにものごとをすすめられる力+ゴールへのステップを論理的・シンプルに説明でき、共通ゴールへと全体を導く能力。

☆そのために必要なスキルセットが、英語コミュニケーション能力+多様性・不確実性を受容し、それに対応できるスキル+異文化理解力+論理的思考力と分析力に基づいた交渉力。

☆グローバル企業になっても、無国籍企業になってはいけない! 国籍は日本。これを失っては企業力が損なわれる。

☆M&Aで世界の企業を買収していくことがあるとしても、経営者の品性や倫理感は絶対に必要。「うちがやらなければ次の誰かがやるだけ」といってひどいことを繰り返したアメリカはいきすぎてモラルハザードを起こしたが、最後は経営者の品格が問われる。現地企業の伝統や文化、自然と共生しながら強さを生かしていくのが真のグローバルビジネスのあり方であって、そうじゃないと生き残れないだろう。

☆グローバルにいかない「引きこもり企業」にもいいところがある(これはメンバーのひとり、今井通子先生のご指摘)。限られた地域で引きこもって作っているものに、アラブの王様しか買えないものすごい高額がつけられることもある。日本の織物とか、ヨーロッパの特殊な工芸品など。こういう産業はかえってオープンになってしまうと、低迷する。

ほかにも考えさせられたヒントがどっさり。実りの多い時間でした。

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