ラグジュアリー展のワンフロア上で同時に展示されていたのが、「都築響一 着倒れ方丈記」展です。本にもなってますが、写真を大きく引き伸ばした形で、コメントとともにゆったり見ることができます。これは「ええっ!?」の連続でした。

「衣食住」のなかの「食」と「住」の充実が皆無に近く、とにかく「衣」だけが生活のすべてになっているすごい人たち・・・。お風呂なしのアパートにグッチがあふれているとか、エアコンもなく扇風機がおいてある狭い部屋にエルメスがぎっしりとか、食べモノ厳禁の部屋に住みマルジェラとともに暮らすとか(ジュースを飲みたくなったらコンビニに行き、そこで飲んで、部屋には持ち込まないらしい)。ブランド側からもかなりクレームが来たようですが、いやしかし、これもたしかに日本特有のリアルな「ラグジュアリー」のひとつの姿なのかもしれないなあ・・・と強烈な印象を受けました。

風呂なしアパートにブランド服ばかりが足の踏み場もなくぎっしり、という光景には「ビンボーくさい」という批判がとんできそうですが、逆に、ブランド服コレクションにそこまでの徹底した情熱とエネルギーを注ぎ込むことができる人というのは、幸せなのであろうなあ、と持ち主の表情を見て思ったり。

服に埋もれて生きたい、愛するブランドに囲まれて死にたい、という着倒れな人生の数々。衣食住のバランスがとれてこそ・・・というのは正論なのでしょうが、展示された写真からは、ちんまりした正論を軽くふきとばしてしまう異様なパワーを感じます。コワくて愚かしくてこってりとおもしろい。「ラグジュアリー」とはなにかという問題を、下のフロアの展示とはまったく別の角度から考えさせれました。

南禅寺が近かったので、立ち寄る。三門の威容にも圧倒されたが、なんといっても美しく整えられた庭園の数々がすばらしい。とりわけ、小石を幾何学的に整えた庭を眺めていると、気持ちが澄んでいく気がする。花の存在をそぎおとした庭もまた、贅沢なのですね。

0 返信

返信を残す

Want to join the discussion?
Feel free to contribute!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です