もう数年も前になってしまうが、uomo創刊の最初の1年に時計の連載をもたせていただいたことがある。まったくのど素人に時計を語らせてみようという編集者のもくろみがあったようなのだが、結局、音痴は音痴。時計関係の本はほとんど読み、専門家にもたくさん話を聞いたのだが、なにかツボをえないまま幾星霜・・・。

でもその時間はまったく無駄だったというわけではなく、今につながるたくさんの貴重なつながりを得た。「世界の腕時計」もそのひとつ。豪華な腕時計の専門誌で、ためになるエッセイもたくさん載っている。

最新号99号でおもしろかったのが、斎藤融さんによる「大統領の時計」のエッセイである。オバマ氏の腕時計が「シークレットサービス」からの特別なプレゼント、という話は「ダンディズム」の本にも書いたのだが、それを製造している会社が「ヨルグ・グレイ」社であり、ムーブメントはシチズン関連の会社がつくっていて、そのブランド名は町の名にちなんで「ミヨタ」と名付けられている・・・という時計専門誌ならではのツウな情報は、このエッセイを読んではじめて知った! もっと早くに知っておきたかった。

今号の表紙の顔になった時計が、パネライの「リュミノール 1950 マリーナ スリーデイズ オートマティック」。例によって機能が細かい数字で説明してあるのだが(時計マニアはこの数字に萌えるようだ)、時計音痴の私にはそのスペックがどんなものなのか、さっぱり響いてこない。ただただ、深い静かな海を連想させる濃紺の、気負ったところがまったくないのに「今」を体現しているような、スポーティーな品格をたたえたフェイスに見とれる。

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