池上彰さんの『わかりやすく<伝える>技術』(講談社現代新書)読み終える。大学で「グループ調査+プレゼンテーション」の授業をもっているのに、プレゼンテーションの技術をブラッシュアップすることに関しては、専門的な視点とことばがあまりにも足りないなあと反省していることもあり、プロの視点を知りたい、と思い手に取る。

さすが「週刊こどもニュース」の池上さん(もうとっくにご卒業なさっているのだが、私の中ではやはりこのニュースの「お父さん」のイメージが強烈)、とてもわかりやすく、参考になる助言も満載であった。

☆話すときには、「地図」を渡す。

☆書きコラムは「起承転結」の長方形だが、読むニュース記事は逆三角形(リード、本記、理由・原因、見通し、エピソード)。

☆接続詞はできるだけ使わない。短い文を重ねていく。論理的であればおのずと意味は通じる。

☆誰に向かって書いているのか、話しているのかを明確にする。取材先(警察なり政治家なり中央省庁なり)を意識しすぎて、「私はよく知っているんでですよ」とみせびらかすような原稿はダメ。

☆全体像が理解できていれば、大胆に切り落とすこともできて、「ざっくりと」わかりやすく説明することができる。逆に、わかりやすく説明しようと努力すれば、よく全体像を理解することができる。

☆「ざっと話したい要素を書きだす→リードを作る→目次を作る→一回書いてみる→どこを図解にするかいいか考える→パワポを作る→パワポにそった原稿に書き直す→その原稿を箇条書きのメモにする」。 ここまでやれば大丈夫。

☆しゃべり上手な人は、「ありきたりのことは絶対言わない」。「周囲が予想していた話とは、ちょっと違う視点からコメントする」(=期待を裏切る)。空気を読んで、期待を裏切る。すると意外感、余韻が残る。プライベートな人間関係にも使えるテクニック。

☆1.5秒、間をとる。20秒中の1.5秒は長い。この長さを我慢し、ぎりぎりタメることができれば、強い効果を発揮する。

☆からかうことで笑いをとり、そのからかいが「真意ではない」ことが伝わるようフォローする。

☆聞き手の中に「応援団」を作る。「『あなたに話してるんですよ!』という熱い視線を当てるのです。ウルトラマンのスペシウム光線を出すぐらいのつもりで」。反応してくれない人には、畳みかけるように話し、その人に思わずうなずかせてしまう(!)

☆「『ここにきたからこそこの話を聞ける』という『お得な気持ち』を持ってもらうことが、プレゼンテーションでは最優先」

☆無意味な接続詞―「そして」「だから」「ところで」「話は変わるが」「こうした中で」「いずれにしましても」「が」「実は」

☆「言い換えれば」は複眼思考を促し、有効。

☆つかみのよいキーワードをもとに組み立てる

☆それを言っちゃあおしまい、ということや、わざわざ言わなくてもいいようなありきたりなことは、絶対言わない。「政府には早急な対策を望みたいですね」みたいな「何も言っていない」コメントは言わない。その前で寸止め。

☆久米宏さんのすごさは、「計算しつくされていることを視聴者に感じさせない」こと。それが格の違いを生む。

☆自問自答を繰り返すこと、謙虚な気持ちを忘れず努力し続けることが、人の心をつかむ話し手になれるこつ。

しゃべりのプレゼンテーションに関する助言中心だが、書く場面で応用可能なアドバイスも多かった。無意味な接続詞の指摘に関しては、つい私も陥っていたことにはっと気づかされた。「お得感」を持っていただくのは、やはり表現することで報酬をいただく仕事に携わる限り、当然わきまえておかねばならない心がけであると再認識。

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