◇昨日の「スリーピース復活」の話題を、従業員から社長さんまで三つ揃いで決めている高橋洋服店@銀座のタカハシ社長に、他の用事ついでにお知らせしたところ。

「第二次大戦中、節約のために既製服の三ツ揃が禁止になって、
そのまま背広が上下になってしまっただけという経緯があります。
背広は本来、上中下の物なので、
スーツにチョッキが付いてるのは当然と言えば当然なんです」

というお話を教えていただいた。「節約のための三つ揃い禁止」! そういうことがあったとは。

◇薬物で逮捕・保釈された女優の謝罪会見。薬物に手を出したという行為については、法で裁きを受けることになるだろうから、何も言うことはないし、その心の弱さや社会的無責任を糾弾したりする資格も私にはない。彼女に対するスタンスとしてはファンでもアンチでもなく、逮捕されて初めて顔と名前が一致したほどだった。

そういうわけで、とりわけ強い思い入れも偏見もなく、行為の善悪を問題にするつもりもまったくなく、ただ、謝罪会見中、ずっとアップで映し出されていた顔を淡々と眺めていたのである。するとちょっとした発見があった。

「大粒の涙」の美しい落とし方である。

あれだけの量の涙をぼろぼろ流せば、ふつう、ファンデは落ちるわアイメイクはにじむわで、顔は汚くなるものなのだが、彼女はその点を難なくクリアしていた。ウォータープルーフのマスカラを上下にたっぷり、は当然としても、ポイントは、下まつ毛である。うるうるうると涙があふれてきたと思ったら、涙の粒は、長い下まつ毛を通って、ぽたっと丸い「滴」となって、顔にふれることなく、下に落ちたのである。下まつ毛の長さが足りなければ、こうはいかない。

顔を伏せる角度も絶妙であった。正面から見れば、長く濃い上まつ毛が影をおとし、その影から、涙の粒が、はらり、はらりと落ちる。横から見れば、下まつ毛のカーブを通って、涙滴が落ちて行く。顔を汚すことなく。それこそ「マンガのように」涙の粒がきれいに落ちていた。

それが左右各5,6滴ぐらい。あとは顔をあげて話しながら涙を流していたので、ふつうに顔の上に「流れて」いったが、そのときはすでに目元やファンデの崩れよりもむしろ、つやつやのリップグロスを施された口元のほうに目を奪われている。

計算ずくのことなのかどうかは私の目にはわからない。何も意識しなくても、人を魅了するふるまいが自然にできる天性の女優なのかもしれない。結果的に、美しい涙の落とし方というものを具体的に見せてもらった一場面になった。

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