「ココ・アヴァン・シャネル」の公開初日。関わったシャネル本に関する朗報が続けて入る。ひと月前に出たばかりの「ココ・アヴァン・シャネル」(ハヤカワ文庫)がもう重版決定とのこと。下巻に解説を書いただけで、版を重ねたからといって解説者に何の利益があるわけでもないのだが、やはりちょっとでも関係した仕事がよい結果をだしてくれると、うれしい。

続いて、7年ほど前に翻訳した「シャネル スタイルと人生」が3刷決定と編集者からの知らせ。2800円とやや高価な大型本なのに、今年のシャネルブームにのって少しだけ広く読まれることになったらしい。読者の皆様に感謝。

シャネル本の解説にしろ、翻訳にしろ、私としてはかなり力を抜いた仕事である。もちろん、力は抜いても、手は抜いていない。万全の正確を期し、誠実に向き合った苦労の多い仕事であったことには変わりないが、書き手・訳者の個性やら思い入れやらを出そうとはしなかった、という程度の意味である。結果、そういう「没個性」「無個性」の仕事のほうが長く読まれていく(力の入れ具合と読まれる量は反比例する。書評の数と売れ行きにもあまり正比例関係はないようだ)。

よい教訓になった。嫌われることなく、広く長く読まれる文章を書くには、私の場合、どうやらよけいな力を抜いた没個性を心がける方がよいようだ。手を抜かずに力を抜く。今後の目標にしよう。

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