野宮真貴さんのリサイタル@恵比寿ガーデンホール。マチネの部。野宮さんとは昨年春の「クロワッサン」誌上で対談したご縁。

「ビューティフル・ピープル」と題されたステージでは、ミス・ノミヤマキがレイチェル、ブリジット・バルドー、オードリー・ヘプバーン、グレース・ケリー、ゼルダ・フィッツジェラルドなどなど、歴史上のファッションアイコンとして名高い美女のイメージにくるくると着替え、歌う。丸山敬太の衣装がかわいくて凝っていて、なんとも楽しいファッション+ミュージック+女の夢、の2時間だった。

とりわけ印象的だったのが、ヘプバーンに扮したパート。「マイフェアレディ」→「ティファニーで朝食を」→「サブリナ」と、あれよあれよという間のマジックのようなアレンジで、舞台上で一瞬のうちに変わる! 電飾プリンセススタイルも圧巻だった。着替えの最中、下着すれすれの姿になってもエロくも下品にも転ばないのは、無機質なファッションドールのようなミス・ノミヤマキのルックスの賜物だろうか(「無機質な質感」というのは、現代の美女メイクに必須の条件のひとつでもある)。

ゼルダ・フィッツジェラルドのパートの演出もよかった。大学で1920年代の講義をするときには、あんなふうにやればわかりやすいかな、と(笑)。

畏友サツキさんのところにホームステイしているアメリカ人のエヴァンを連れて行く。エヴァンはファッションデザイナー志望の学生で、今日も自分で作ったシャツとデニム(ちょっと驚きのハイクオリティである)でコーディネイト。「日本人のアーティストが、異国のファッションアイコンをあんなふうに消化して、オリジナルなスタイルで表現しているのがエキサイティング」だったそう。

「流行と踊り続けることができるのは、大人の女の条件」(正確なことばの記憶、不確か)と言い切って堂々かっこいいこういう女性と同時代に生きていることを、ちょっと嬉しく感じた一日。

帰途、エヴァンに日本のストリートファッションの率直な印象を聞いたら、「なにをアチーブしようとしているのかわからない。有能に見せたいのか、美しく見せたいのか、どう見せたいのかがわからない」と。「個性的に見せたいのでは?」と言うと、「みんなが他人と違おうとして、結果的にみんな同じに見える」と感想をもらしていた。近頃は日本のストリートを「ファンタスティック!」と讃える海外ジャーナリストの意見に慣れきっていたところもあったが、なるほど、そういう見方もあるのか。

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