ミス・アシダ2010年春夏コレクション@ジュンアシダ本店in代官山。

若々しくてまばゆいほどのかわいらしさ満開。ただ「若かわいい」のではなく、上質な別格感も「モードな攻め」感もある、おしゃれ好きにはたまらないかわいらしさである。

そんな「ミス・アシダらしさ」を生む秘密は、おそらく、高度な職人技が駆使されたディテールと素材(服地)選びにある。今回、目をひき、とりわけ印象に残ったのが、以下の3つの点。

1.シーム(縫い目)を装飾のように演出する細部

2.袖と身頃の境界がない不思議な上半身

3.幼稚園のときにカラーティッシュでつくった花を思い出させる、立体感のある大きな花がたっぷりとあしらわれた生地。

ショウが終わってから、それぞれについてデザイナーの芦田多恵さんに伺ってみたところ、こんなことがわかる。

1.ダブル(両面)になっている生地を、両面それぞれのよさを見せられるよう、あえて表・裏と切り替えながら縫い合わせ、その縫い目をときほぐし、遠目には装飾のラインに見せるよう演出したとのこと。最後に登場したマリエ(ウエディングドレス)にもこのテクニックのバリエーションが使われていた。白いシルクサテン生地のアクセントとして、シームが何本か走っているのだが、そこにビーズが埋め込まれているのである。それが柔らかく光り輝き、まるでドレスのラインに沿って光の川が流れていくように見える。

2.たっぷりとボリュームのある袖とボレロが一体化したようなトップスは、多恵さんが「ボレロスリーブ」と名付けているミス・アシダのオリジナルだそうである。袖だけをたっぷり膨らませると、腕を上げた時に脇下がもたつくが、このデザインだと腕を自由にすっきりと動かすことができて、脇下すっきり。袖のボリュームを楽しめながら、着心地がラク。なるほど、こういう発想があったのか~と感心する。

3.大きな花と見えるのは、エンブロイダリー(刺繍)だそうである! ここまで立体感のある素材の登場にちょっとわくわくする。これが全面にあしらわれたスカートは、かなり楽しい。ミニでタイトであれば、上半身を真面目なジャケットでまとめて仕事着としてもいけるかも?などと思わず妄想が入る。

こういう細部が悪目立ちすると「オタクな服」になってしまうのだが、ミス・アシダの場合、それが絶妙の配分であしらわれ、シックで一般ウケのいい配色の全体のなかにとけこんでいる。匠の細部と、まとまりのいいキュートな全体。結果、「かわいいのに、格が高い」という印象が生まれている。

細部と全体の関係については、ほかの分野においてもあてはまることかもしれないなあ、と楽しく考えさせられたコレクションだった。

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