19日付朝日新聞「うたの旅人」。山下達郎の「クリスマス・イブ」をめぐる話。

堀井憲一郎さんの『若者殺しの時代』が指摘している点として、

・日本でクリスマスが「恋人たちのもの」と宣言されたのが、1983年。日本で初めてシティーホテルで過ごすイブの夜を提案したのが、83年12月に出た「アンアン」の「クリスマス特集」。

・男性誌がクリスマスのイベント化で騒ぎ始めたのが、88年。同じ年に流れたJR東海のCM第一作が、クリスマス・イブを再定義し、いわば「認可」した。この夜は大切な恋人と過ごしていいのだ、と。

というような話が挙げられていた。

現在、バブル期のクリスマスはこうだった、という話を大学生にしても「えーっ、うそみたい」と笑われる。「おうちで過ごす」のが現代の定番らしい。いずれにせよ、「ひとりだとさびしい」ということにされる「クリスマス・ファシズム」(堀井)はあまり変化していないようだ。

JR東海CMヒットの原因を分析する電通の三浦武彦さんのコメントのなかに、印象深いことばがあった。「横溢するバブル気分は一皮むけば不安で覆われていて、その中心にぽっかりあいた穴があった。多くの人の気持ちはバブルと逆で、むしろむなしさや寂しさに近かった」。

景況にかかわらず、この時期になるとむなしさや寂しさをより強く感じる人というのが、実は大多数なのかもしれないなあ、と達郎の歌を聴きながら思う。

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