◇立川談四楼『粋な日本語はカネに勝る!』(講談社+α文庫)読み終える。

「様子がいい」「うかつあやまり」「お膝送り」「春夏冬二升五合」・・・・・・落語家さんならではの味わい深いことばが満載で、ボキャブラリーが潤ったような気分になる。ちなみに「春夏冬二升五合」とは「商い益々繁盛」のこと。「秋がない」「升がふたつでマスマス」「一升の半分で半升」ってことで。おやじギャグではあるのだが、商いにともなうカネのにおいをさせないウィットがいい。

「野暮を極める」話も、いいなあ。「粋な言動をと意識した時点で、それはもう野暮なのではないでしょうか」というある紳士のコメント。「つまり粋とは野暮を排除した状態だと思うのです。食事も化粧もケータイによる電話もしかるべき場所では問題ありません。しかしこれを混雑した電車内でしたらどうでしょう。野暮ですよね。ですからそれらのことを決してしないと自らを律するだけでも、現代における粋なのではないでしょうか」

その後に続く話がシブい。30代の公務員風の客が思いつめたようにこの紳士に質問。「私は自他ともに認める野暮天です。私でも粋な男になれるでしょうか」。老紳士は答える。「私はあなたの生真面目なところが好きです。野暮けっこう、極めなさい。野暮は極めますとね、粋に転じることがあるのです」。

で、喜んだ公務員風の客は折り目正しく、一同に酒を注いで回った、というお話。粋ですね。

◇ゼミ生たちと忘年会@ハチ公前30秒の居酒屋。21世紀に生まれた英語(を中心)に訳語をつけていき辞書をつくる、というほとんど無謀な試みを企て、試行錯誤の連続だったけど、学生さんたちがなんとか楽しく盛り上げようとがんばってくれた。心から感謝!

2 返信
  1. たけい
    たけい says:

    自分は、粋とは、さりげなさ、と感じています。余り目立たない言葉や言動の中に粋は、存在しているのかなと思いますね。
    落語家さんの本には、面白い物が多いですね。
    私のお勧めは、柳屋小三冶の「まくら」(講談社文庫)です。かなり前の本ですが、読み返しています。

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  2. nakanokaori
    nakanokaori says:

    おすすめ本のご紹介ありがとうございます。さっそく買ってみます。
    「粋」とか「ダンディズム」のような美学にかかわることって、ほんとに定義が人の数だけあるなあ…と感じています。曖昧な奥深さこそが魅力というところがあるからでしょうかね。

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