福田邦夫『奇妙な名前の色たち』(青○書房)(←○は、女ヘンに我と書く。漢字変換できず、失礼)。

「謂わぬ色」「エレファンツ・ブレス(象の吐息)」「思ひの色」「白殺し」「素鼠」「駄赤」「似紫」「はした色」「至極色」「ニンフの太股」といった、想像もつかないけれど想像をたくましくしたくなるような色の名前をめぐるエッセイ集。おもしろくて夢中になった。エッセイを読み、あらためて色の名前を見ると、なるほど、と納得がいく。色彩辞典としても保存版にしておきたい1冊である。マイナーながら、いい本に出会えたことがうれしい。

人間の肌色は、しょっちゅう見ているものでありながら、メイクなどでは「記憶色」に似せておかないとかえって不自然、という指摘にうなる。「人間の記憶によって美化された肌色のイメージと、ニンフの太股の空想の色とはたいして違いはないが、実際の人間の肌色とは大違いである」。

1993年に一度出版されていた本だが、2001年にタイトルと判型を新しくして再び出版された本だという。出版社の高い志に、心から敬意を表します。忘れられていく美しい言葉を後世に残していこうという気概のあるこんな本は、断固として支持していきたい。一時的に儲けて勝ち逃げ、みたいな読者をばかにしたスパム本(←いろんな意味で環境汚染の元凶だろう)ばかり店頭に積み上げられる殺伐とした時代だからこそ、よけいにそんな気持ちが起こるのかもしれないが。

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