◇活字原稿から惜しくもこぼれおちたネタをメモしておきます。マンハッタンのデザインチーム「アヴロコ」に関するフィナンシャルタイムズの1月2日付け記事。

20年前、カーネギーメロン大学で知り合った4人が、2000年に設立したデザイン会社で、数々のモダンで斬新なレストランの内装で業績をのばし、大きな賞も受賞している。

過去の仕事の一部は「ベスト・アグリー(Best Ugly)」というハーパー・コリンズから出ている大型本でも見られる。彼らの仕事の特徴は、オフビートでひねくれた、ちょっとわかりにくい美しさ。エレガントな表層に、ブッチャーの包丁がかけられていたりとか。洗練のなかに、気持ちをちょっとざらつかせるごつごつした何かがある、というのが彼らのスタイルであるようだ。

「ベスト・アグリ―」というアイディアは、チームで紅一点のクリスティーナ・オニールがアジアに旅行した際、中国の庭園を見てインスピレーションを得て生まれたという。中国の庭園では、1つの醜い植物が、周囲の美しさをより印象深くする働きをしている。

アヴロコの仕事はアメリカのみならず、タイ、香港、シンガポール、インドでも。

アヴロコの仕事をいくつか写真で追ってみて、「今」の感覚がまさしくこれだなあ、と感じたのであった。これでもかという王道美や、スキのない洗練美を「どうだ」とおしつけるのではなく、最先端の洗練のなかに、ちょっと気持ちにひっかかりをつくるような、ひねりのある「醜」なるなにかをとけこませる。そうすることで、奥深い余韻のある美しさが生まれる。これが今の感覚になじむ。

◇NAVI休刊のニュースにしばらく言葉が出なかった。「スーツの神話」のもとになった連載「スタイリッシュ・カリズマ」を掲載してくれたのが、ほかならぬNAVIであった。当時は鈴木正文さん(現ENGINE編集長)が編集長で、ユナイテッド・アローズの栗野宏文さんと3人で鼎談する(撮影用にドリス・ヴァン・ノッテンのスーツを着せられたりした・・・)など、鍛えられることが多かった思い出深い雑誌だった。ありがとう、NAVI。時代がよくなったらぜひ復刊を。

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