◇マネー・ヘッタ・チャン『ヘッテルとフエーテル』(経済界)。こどもの病院の待ち時間に読み終えられるほど分量は少ない。でもナカミはけっこう濃くて、爆笑本でもありつつ、当事者には笑えないホラー。現代の日本人がいともかんたんに騙されているあれやこれやの話が、寓話の形式で描かれる。「ホワイトバンド」のうさんくさい流行は私も日経新聞のコラムなどでつついたことがあった(かなりソフトに)のだが、その「いんちき」の仕組みまでははっきりせず、どうも中途半端でもやもやしたままであった。ここまで明快にその手口を明らかにしてくれてありがとう!とすっきりした。もっとも痛快だったのは、底の浅い自己啓発本商法と、それを盲信する信者の末路のお話。最近の見え透いたキャットファイト演出によるマーケティングとやらにげんなりしている人にも、爽快感を与えてくれるかも? 「だれかに認められたいという自尊心、ほかの人よりも目立ちたいという気持ちは狙われる」というグリーム婆さんの警告もぴりっと効いてくる。

それにしてもこんなにも騙し、騙される悲劇が日本には日常的に蔓延しているのだ・・・・・・と思うと、空恐ろしい。

◇活字原稿からこぼれおちたネタをメモ。英「インデペンデント」1月1日付け。

「政治的に正しい」食べ物として、FOIE GRAS(フォアグラ)ならぬ FAUX GRAS(フォーグラ=フォアグラもどき)が普及しているという話。ガチョウにむりやり食べ物を詰め込んで太らせてつくるフォアグラは、動物を虐待しているわけで倫理的に正しくない、ということで、それに似せた食材を、スーパーマーケットなどのほうでも積極的に開発しているとのこと。成分は、放し飼いの鳥の肝臓50%+ガチョウまたはアヒルの脂肪。

動物愛護の急先鋒PETAによる「フォアグラが歴史の一部になるのは時間の問題である」という自信たっぷりのコメントが、なんだかな。

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