昨日おこなわれた、ジュンアシダ2010秋冬コレクション@代官山本店。グレートーンのスーツのバリエーションから、鮮やかな色柄のワンピースとジャケット、コート、マント風コート、イブニングドレスにマリエまで、優雅で気品あふれるジュンアシダ・ワールドを堪能する。素材、カッティング、シルエットは常に女性の身体のラインをもっともエレガントに見せるという配慮に支えられていて、ディテールにちらりちらりと遊び心があふれている。帽子やアクセサリーとのバランスも完璧で、美の黄金律のシャワーを浴びる。

マリエ(ウェディングドレス)が予想を快く裏切り、フレッシュな印象だった。いつもはジュンアシダならではの正統派ドラマチックなドレスで盛りあがって締めくくられるのだけど、今回は、なんと「ボンブー」パンツの白いスーツである。たしかSATCのキャリーも、いろいろドレスを着てみたけれど、結局、最後の最後は白いパンツスーツで結婚したのではなかったか? (記憶違いだったらすみません) 非日常的なドレスもいいけれど、地に足のついた結婚、という印象を与えて、映画的にとてもいい印象を与えていたように思う。

先日の「21世紀ナヴィゲイターズコミッティー」で、目黒雅叙園の梶社長が、「最近は仲人を立てないカップルが圧倒的に主流で、しかも、人前結婚式がふえている」ということを話していらしたことを思い出した。旧い慣習に縛られず、自分たちのライフスタイルに似つかわしい結婚式をしたい・・・というカップルが増えているとするならば、白いパンツスタイルの花嫁が増えることも、当然、考えられるわけである。

そんなこんなのいまどき結婚事情にマッチしそうな、白いパンツスタイルのマリエ。新鮮な驚きを感じ、拍手したくなるとともに、でもやっぱり、うそくさいほどドラマチックなドレスも見たいよなあ、という思いもかすかによぎった(観客はわがままだ・・・)。1回のショウに1着、というマリエだからこそ、強く印象に残り、デザイナーの、時代に対する感覚も伝わってくる。「今」の社会のムードとのつながりを感じさせる作品をつくるデザイナーは、やはり優れたデザイナーだと思う。

発刊ほやほやの、芦田淳先生のエッセイ集『透明な時間』(角川学芸出版)、帰途に読みはじめ、そのまま最後まで読み終えた。美に対する考え方、家族への愛情、すてきな方々との交友、ピカソはじめ芸術に対する思い、身近な社会事象に対するちょっとしたお叱り、などなどのことがらが、生き生きとして率直なことばで綴られていて、読みながら背筋が伸びてくるような感覚がある。

なかでも、美は身近なところからお金をかけずに作り出していくものである、という考え方に教えられるところ大。絵や写真などを「まっすぐ」に貼るだけで空間の格が上がる、という指摘には、はっとさせられる。「『傾く』という言葉が不吉であるように、カレンダー、絵、写真などの掛け方や貼り方も、傾いているのはみっともない」。たとえメモひとつでも。その日ごろのささいな心がけが、その人のまわりに大きな違いを生んでいくのだろう。

「茶道では、後片付けをお手前と同じ作法で時間をかける」という話にも、なるほどなあ、と納得する。お掃除のあとの掃除道具の置き方、ドアの締め方、そんなささいなところに神経を行き届かせるかどうかという精神が、美しさを作り出すために大切なこと、と。

我が生活を翻って……あまりのことに思わず絶叫したくなるほどであるが、忙しさは理由にはならないなあ(涙)。新しいキレイなものを買うより、まずは身近なところの整頓と統一から。今年の課題にしよう、としみじみ思ったことであった(思ってるだけではダメなのだが)。

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