ポンペイ展@横浜美術館。西暦79年8月24日の白昼、突然、火山灰やら土石流やらに埋もれてしまったポンペイの街。18世紀以降に発掘されて、保存されている遺跡の数々が展示される。

壁画や庭園の水盤に彫像、大理石のお風呂、お風呂をわかす装置やボディケアセット、家具に食器に調理器具、アクセサリー、娯楽用品、武具、楽器、医療器具にいたるまで。2000年前の人も、現代人と同じように、ごはんを作って食べて、お風呂に入って、宴会をして、庭園で憩い、装身具で装い、娯楽を楽しみ、愛を交わし、病気を治療し、神に祈り、眠っていたのだなあ・・・というあたりまえのことに心打たれる。家具や水盤や用具にほどこされている装飾はなかなか精巧で美しく、2000年経っても人間はそれほど「進化」するものでもないらしい、ということも感じる。

18世紀に発掘されたポンペイの遺跡は、ファッション史的には「新古典主義」をもたらしたことになっている。ロココの過剰な装飾の時代が終わり、古代ローマ時代に倣った、「シンプルな」ファッションが主流になっていく。このスタイルはフランス革命の理想とも合致していた。

ポンペイ遺跡についてはそのくらいしか知らなかったのだが、カタログに掲載されている解説を読んで、ポンペイ遺跡探訪ツアーがもっと多岐にわたる影響を及ぼしていることを知った。「ローマ帝国衰亡史」を書いたギボンへの影響。貴族の子弟のグランドツアー。ゲーテの「イタリア紀行」。トマス・クックの旅行会社に象徴される、近代的ツーリズムの誕生、などなど。

展示の中に、「人型」もあった。降ってくる火山石から身を守るような姿勢である。いつものようにのんびりと生活している最中に、突然、火山が噴火し、街ごと埋没してしまう、ということも起きるのだ。明日は何が起きるかわからない、とまたしても思う。やりたいことは「いつかそのうちに」ではなく、できることを「今」やっておかねばならない。

展覧会のおみやげとして「ポンペイ糖」が売られていた(笑)。

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