移動の合間などに少しずつ見ていた「マッドメン」シーズン2のボックスを、すべて見終える。

過去を偽り、欲望と才能全開で突き進んできたドン・ドレイパーが、出張の折に仕事を途中放棄したあげくに「自分見直しの旅」に出る過程が意外で、ウェットな面白さが加わっていった。キューバ危機とドンの結婚の危機、会社の合併の危機という3つの大きな危機が同時進行していくあたりの脚本のうまさは圧倒的である。善でも悪でもない複雑な人間を、複雑な関係のなかに、リアルにスタイリッシュに描いていく。

ペギーがピートに子どものことをはじめて告白する場面の、ふたりの表情にひきこまれる。それぞれの心中にどれだけの思いが・・・と想像をかきたてる抑えた演技が、とてもいい。

シーズン1の最初に比べると、それぞれの人間の立場や関係がかくも大きく変わっていることにも驚く。とくに大事件が起きたというわけではなく、それぞれの、日々の小さな選択の積み重ねによって、大きな違いが生まれていることに気づかされる。なにげに教訓的なドラマでもある。

おまけについていたディスクでは、ホワイトハウス案内、キューバ危機や公民権運動、ブラジャーの広告がおしすすめた女性解放、マリリン・モンローの影響力など、当時の社会状況が、貴重な映像とともに紹介されている。ドラマのなかのセリフ、広告、テレビはもとより、、有色人種の役割、下着、インテリアにいたるまで、正確な時代考証に基づいていることが、あらためてよくわかる。

シーズン3はまだ出ていないようなので、次なるドラマシリーズとしてHBOの「ローマ」前・後編のボックスを買う。3話まで見たが、こちらも綿密な時代考証に基づいたローマ時代を背景に、ありのままな人間のドラマが展開していく。

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