イギリスのTVドラマシリーズ「ローマ」前編、12話見終える。ジュリアス・シーザーがルビコン川をわたり、ポンペイウスを追って滅ぼし、エジプトを支配下に置き、「神」のような高みにのぼり、暗殺されるまで。シーザーやマーク・アントニー、クレオパトラ、ブルータス、キケロ、カトー、スキピオらローマ有名人のことは、フィクションで断片的にしか知らなかったので、はじめて全体がつながって「そういうことだったのか・・・」と理解した。

男たちの権力争いに加えて、女たちのドロドロの戦いも等しく描かれ、兵士とその家族を通して平民の苦悩も同じように描かれる。今も変わらぬ人間の感情を通してローマの全貌に近づける、ほんとうによくできたドラマだと思う。

凱旋式など映画ばりにゴージャスなシーンもあるが、拷問、奸計、裏切り、暗殺、復讐、凌辱、殺戮、自殺、公開処刑、レズビアンに近親相姦、どちらかといえば残虐でスキャンダラスなシーンも多い。毎回タイトルロールにドクロが出てくるのだが、見終わったあとは、ドクロがカタカタと音をたてているような印象が残る。けっして「すっきり」はしない。どんな栄華を誇ろうと、どんな奸計をはたらかせようと、どんなに人を憎もうと愛そうと、皇帝も元老議員も兵士も奴隷も、いずれみな等しくドクロになる。

ひとりひとりの人間の描き方が紋切り型ではなく、複雑で生々しいのだが、とりわけ驚いたのが、クレオパトラ。妖艶な成熟美女を想像していたのだが(エリザベス・テーラーのクレオパトラの残像か)、このドラマではボーイッシュなショートカットで、こずるい感じもする小娘である。シーザーとの子が、「実はローマの一兵卒の子かもしれない」とにおわせる設定には度肝を抜かれる。クレオパトラのみならず、高貴な身分のアッティアも、思い切り下の身分の男に命じて交われ、と。残虐シーンのみならず、エロチックなシーンも遠慮してない。

これから後編のボックス、12話分。面白いけど、重たいので、見終わってしまいたいような、とっておきたいような、微妙な気分である。

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