「GQ」誌の取材を受ける。英国紳士スタイルのエッセンスについて、ごく最近の事情から18世紀の話まで、とりとめなく話をする。今月下旬発売の10月号掲載とのこと。

◇いただいたGQ9月号が面白くて、真剣に読みふける。とびきり心を奪われたのが、アウディのタイアップ広告ページとおぼしき「感性を刺激する出会い。」のなかの、「パーフェクトな女は、男に何を求めるのか?」というテキスト。全部引用したいくらい、文章世界にどっぷり浸りきってしまったが、そのなかの一部を。

「・・・・・・まずは彼女が住む世界をぐにゃりと曲げてしまうこと。視覚、聴覚、嗅覚・・・、彼女の五感すべてを揺さぶり、アナザーワールドの存在を知らしめること。

混乱した彼女は泣き喚き、汚い言葉を吐くかもしれない。けれども彼女の知性は、必ずや自分の知らなかった世界を受け入れる。

(中略)

彼女の心には、新しい風が吹いている。自分でも知らなかった自分に気づかせてくれたのはだれ?

彼女がそれを知ったとき、ヘイトはラブに反転する」。

だれ?って、この文脈ではアウディR8スパイダー(を運転する男)のことなんだけどね(笑)、たんなるクルマの広告コピーで終わってないところが、いい。パーフェクトな女でなくても、こういう出会いを、多くの女は心の底では求めているのではないか、と気付かせる(もちろん、例外はいつだってある)。ちょっと気取った感じもあるテキストだが、スタイリッシュな写真とともにあると、違和感もない。テキストbyタケシ・サトウさん、とクレジットがある。グッドジョブだと思います!

◇もうひとつ心に残った記事が、「作家、野地秩嘉の一行のことば。」 ニュースキャスター松原耕二さんの巻。

野地さんは、松原キャスターの「話を聞き出す力」が優れていることを見抜き、その秘訣を聞く。聞き出す力の根本は、相手のことを心から知りたいと思う好奇心、と指摘したうえで、松原さんのことばの引用。

「私は珠玉のインタビューとは、話している人間がいつの間にか、自分も気づいていない自分自身を語りだすことだと思うのです」

松原キャスターが、筑紫哲也さんに話し上手のコツをたずねたときのエピソードも興味深い。野地さんは、こんなふうにまとめている。

「準備はするけれども、原稿やメモを見ずに、聴衆の顔を真正面から見つめ、そして、『自分の話が届きますように』と念じ、頭の中で内容を組み立てながらしゃべることだ」

書いたものを読みあげても、人の心には届かない。書くことと話すことは全く別の種類の仕事、というのは、ひしひし実感していたことでもあったが、あらためて、なるほど、と。

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