今日中にやらなきゃいけない仕事の締め切りが2つありながら、どこから書いてよいかわからないままジレンマに陥り、鬱々と時間だけが虚しく過ぎていく。

そういときには、つい手近にある積読中の本を手に取ってしまう。今日、たまたま読み始めてしまった本がまずかった。東野圭吾『夜明けの街で』(角川文庫)。読み始めたらおもしろくて止まらなくなって、つい、最後まで、読了。

不倫初心者の40男の心理小説×それにスパイスを添えるミステリー、といった感の、楽しい小説だった。サザンオールスターズの、ヨコハマを舞台にした不倫の歌(たしか、赤いランジェリーがカバーの写真に使われていた)からイメージされた小説のようで、重過ぎなくて、楽しく読み終える。

軽いスタンス(と思わせる筆致・・・・・・これが実はタイヘンではあるのだけれど)でいいのだ、と楽観できて、無事、自分の仕事の締め切りもなんとかクリア。

不倫初心者の男というのは、初恋中の中学生以上に、愚かしくて初々しくてかわいらしくて情けない、とこの小説を読んであらためて思ったことであった。当人は切実なんだけど、という描写がリアルで、紋切り型の行動が生むコミカルな味わいがよかった。熟練者の、ふてぶてしい落ち着きの奥にある心理、というのを東野さんにぜひ次、書いていただきたい(笑)。

       

2 返信
  1. たけい
    たけい says:

    1998年のサザンのシングル「LOVEAFFAIR-
    秘密のデート」ですね。
    それにしても、時折、サザンの熱狂的なファン
    に出会います。やはり国民的人気なんだなと
    実感しますね。桑田さんの無事回復を祈って
    います。

    返信
  2. nakanokaori
    nakanokaori says:

    >たけいさん
    タイトルご指摘ありがとうございます。
    このシングルCD持っていたのに、
    題名がすぐ出てこない(苦笑)。
    ぼけぼけです。
    音楽の世界には疎い私でも、
    サザンだけは時々買っています。
    桑田さんは、その「存在が<ない>ことが、
    考えられない」ほどの影響力をもつ人ですよね。

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