クリント・イーストウッド監督の「インビクタス」DVDで。南アフリカの大統領に就任したネルソン・マンデラ(モーガン・フリーマン)が、ラグビーを「国が誇れるものに」と政治的に重視、キャプテン(マット・デイモン)にインスピレーションを与える。

イーストウッドらしく、ことさらにできごとや演技を強調しすぎたりしないシブい演出のなかに、憎しみで分断されていた黒人世界と白人世界が、マンデラの人柄とラグビーを通じて、じわじわと溶け合っていくプロセスが丁寧に描かれる。最後は深い感動の余韻で満たされる。名人芸だなあ。

選手たちに「持てる以上の力」を出させるにはどうしたらよいか?その答えのひとつが、ことばによるインスピレーションだった。30年も閉じ込められていたマンデラの魂から搾り取られたようなことばが生む説得力もさることながら、選手ひとりひとりの名前をおぼえ、それぞれの名前を呼んで、語りかけることで励ますこと。大統領に名前を呼ばれた選手たちが、はっと覚醒したような表情になっていったのが印象的だった。

ひとりひとりの名前を覚え、名前を呼んで語りかける。そういえば仕事においても、人間関係においても、これがいやみなく上手にできる人は、名前を呼ばない人に比べ、より強い影響力を与えているように思う。相手の名前を話の中で一度も呼ばないままコミュニケーションをしたつもりの人が、意外と多い。テレなのか、意識的(=深入りを避けたい)なのかはわからないが。

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