渡辺敬子さんによるクリスマスコンサート@青葉台フォーラム。ピアノ演奏の合間に、曲にまつわるトークがさしはさまれる。あたたかな雰囲気につつまれたサロン形式のコンサートだった。

異教徒も祝うクリスマスは、愛を祝う日でもある、ということで、さまざまな「愛」の物語を秘める曲が奏でられる。

☆シューマン「蝶々」作品2、「幻想小曲集」作品12より「夕べに」「飛翔」

クララと出会ったころのシューマンの、若々しい情熱的な思いがあふれだすような音楽。

☆ブラームス「6つのピアノ曲 作品118より第2曲」

クララに思いを寄せながらついに愛をかなえることができなかったブラームスが、60歳ぐらいの頃に作曲したという作品。そうしたエピソードをあらかじめ聴くことで、曲に対するイメージが広がり、音楽を通して作曲家の心に近づくことができたような気になる。シューマン夫妻とブラームスの関係は、映画「クララ・シューマン」のなかでも情緒たっぷりに描かれていたので、映画のシーンを思い出しながら聴き入った。

☆シューベルト「即興曲」D935より第2曲

純粋な人間愛や、隣人愛があふれる音楽。友人から愛され、友人のために曲を書いていたような、彼の誠実で優しい人間性を感じることのできる曲だそう。言われてみると、なるほどそんな温かでおだやかなイメージ。

☆ショパン バラード第1番 作品23、ノクターン「遺作」 嬰ハ短調、ポロネーズ「英雄」 作品53。

作曲家のなかには、霊感が強く、作った曲によって運命を引き寄せてしまうようなことが起きる人が多い、と敬子さん。「死」をイメージした曲を作ったとたんにあの世へ旅立ってしまう、ということも起きるのだとか。ショパンも霊感が強い一人で、バラード第一番を作曲したのち、まるで曲のイメージそのもののように、ある女性との熱烈な出会いと別れを経験することになったという。ポロネーズ「英雄」は、祖国愛に満ちた作品で、祖国ポーランドのダンスのリズムが挿入されているとのこと。

「知る」ことで、感性もより深く研ぎ澄まされることを実感。ツンと超然と聞こえていたクラシック音楽にも、誕生の背景には、ヒューマンでウェットな「愛」があったのだ……と生々しく知ることで、音楽に親近感を抱いてしまうからゲンキンなもの(笑)。

知性と愛にあふれた音楽を堪能したクリスマスシーズンのひとときでした。写真は渡辺敬子さん。すてきな演奏とトークをありがとうございました!

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