2011年の「ファッション事件」として記録されるべきイベント。パキスタンのイスラマバードで、はじめての4日間にわたるファッションショウが開催された。英「ガーディアン」1月24日付に関係者取材のリポートあり。印象に残った抜粋をメモ。

主催者側のひとり、カムラン・サニのことば。「イスラマバード・ファッション・ウィークは、人々のパキスタンに対する見方を変えるでしょう。モダンで、世俗的で、進歩的な明るい側面が、パキスタンにはあります。人々はタリバンや、爆撃や、貧困や、洪水のことばかり話題にしたがりますが。でもパキスタンは元気で勢いがあり、今こうして、ファッション産業がグローバルに発信する時が訪れたのです。西洋のみなさんは驚く必要はありません。グローバルカルチュアはパキスタンに十分に浸透しており、ファッションデザイナーもすばらしい力をもっています」

いくつかの写真を見ると、メイクもスタイリングもまだどこか野暮ったくて、装飾過剰な印象もぬぐえない。でも、貧困や宗教的な問題ばかりが報じられていたパキスタンで、ファッションウィークが無事に開催されるというニュース、勢いがあるデザイナーもモデルもジャーナリストもこんなにもたくさんいるというニュースは、パキスタンの変化の兆しを世界に向かって伝えるだけの力がある。たとえそれがごく一部の富裕層の誕生の結果でしかないものだとしても。

2 返信
  1. 三浦彰
    三浦彰 says:

    最近読み始めました。こんなに内容があって
    文章のうまいブログがあったとは。こんど是非お会いしたいですね。連載頼もうかしら。WWDジャパンの
    三浦と申します。

    返信
  2. kaori
    kaori says:

    >三浦様
    あたたかいお言葉、痛み入ります。
    WWDは定期購読していて、だいたい土曜日に次週の号が届くので、隅から隅まで読んでます。ホットなニュース満載で、毎週楽しみにしています。最近では吉井さんの連載が好きです。正直な文章がいいですね。
    今後とも、ご発展を応援しています。

    返信

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