「グリーンホーネット」、3Dで。あの小難しい「エターナル・サンシャイン」の監督(ミシェル・ゴンドリー)だから知的なアクション映画かな?と少しだけ構えていたが、むちゃくちゃに能天気で無謀なアクションの連続で、いい感じで裏切られた。

ブリット(セス・ローゲン)のばかっぷりを強調するセリフが、きわどい。カトー(日本の「加藤」のイメージ?)が上海生まれ、と言ったら「日本は好きだ」とかフォローするのはまだかわいらしいとしても、秘書面接に来たキャメロン・ディアスに「トワイライト」とか「コクーン」とか、暗に「トシとってるねえ」、という意味のことを言ったのには、ひやりとする。一昔前の、「ポリティカル・コレクトネス」にぴりぴりしていた時代だったら、許されなかったセリフでは。このブリットのキャラ設定をはじめ、重装備の高級改造車とか、カンフーとか、キャメロン・ディアスをめぐる男二人の関係とか、悪のヒーローを装って本物のヒーローになるとか、オタクマッチョでアナログな男の夢が全開する。とことんマンガチックな世界に耽溺して笑う映画。

カトー役のジェイ・チョウが、魅力的。アクションはキレがあって(CG加工はあるとしても)小気味よいし、コーヒー入れても改造車作っても天才、というキャラにぴったり。この人のことは、「頭文字D」のプロモーションで来日記者会見をしたときに、見に行っていた。数年前だが、会見の舞台でピアノを披露して、それが驚くほど巧かった。この映画でもピアノの腕前を、ほんのちょっとだが披露していて、その時のことを思い出した。

第一印象はいたって淡々とふつうなのに、知れば知るほど味わいというか予想外の凄みが感じられてきてもっと会いたくなる、というのがジェイ・チョウの最大の長所。

ブリットのセリフに「おれたちは今までずっと可能性をムダにしていた(We’ve been completely wasting our potential)」というのがあったが、音楽もやり芝居もやり監督・脚本も手がけアクションもこなすジェイ・チョウは、自分のあらゆる可能性を磨き続けている人、という印象。

クレジットにエドワード・ファーロング、という名前を見つけ、えっ、どこに出てた?!  とあとからチェックしてみたら、麻薬工場の「工場長」でヘマをしてボスに殺されるチンピラ、というチョイ役だった。かつての美少年の面影はない。最近は私生活のぼろぼろぶりばかりが時折、伝えられていた程度。時の残酷さを感じさせて、少しもの哀しくなる。

2 返信
  1. たけい
    たけい says:

    外国人に知っている日本人のアンケート
    を取るとブルースリーが入るそうです。
    やはりその昔「グリーンホーネット」
    の加藤をリーが演じていた影響ですかね。
    中野さんも良い意味で裏切られたと書いて
    いるので観にいこうかとおもいます。

    返信
  2. kaori
    kaori says:

    >たけいさん
    「エターナルサンシャイン」と共通点は
    あるかなとつらつら考えていたのですが、
    そこはかとなく「もっさり」した印象が
    共通するかな?と。
    単純でアナログなストーリー(映像は
    CGで3Dですが)、おバカアクション
    の連続だから、そういうのが苦手な
    人にとっては退屈かも。
    >外国人に知っている日本人のアンケート
    >を取るとブルースリーが入るそうです。
    >やはりその昔「グリーンホーネット」
    >の加藤をリーが演じていた影響ですかね。
    笑。「上海生まれのカトウ」は
    強烈な印象を残す、いい役ですもんね。
    動くジェイ・チョウの魅力で映画の評価、
    ずいぶん上がってます、はい。

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