ガソリン売り切れ、映画館休館、イベント中止、一部の棚が空っぽになったスーパーマーケットも早めの閉店、となにか「映画で見たような戦争中」のような空気を感じた日曜だったが、朝起きて、知人から「拡散希望」として回ってきたメールに心が洗われるような思いをした。アメリカ大統領が、日本へ救援に向かう兵士に向けて語った演説の要約とのことだった。

☆☆

おはよう、諸君。
後一時間足らずで、諸君ら140名は、極東に向かって旅立ち、史上最強の敵と交戦する。 時を同じくして、世界各地の米兵たちも、他の35隻の原子力空母で、同様の救助に向かう行う手はずだ。

諸君がまもなく赴く戦いは、人類史上最強の救出活動となるだろう。そう、人類史上最強の・・・・
人類・・・・・この言葉は、今日、我々全員にとって、新たな意味を持つ。地球に対する今回の暴虐行為に少しでも意味があるのなら、
それは我々人類が共有するものの大きさに気づかせてくれた、という点につきるだろう。
今回の侵略は、この惑星で共に生きるのがういうことかを、新たなる視点から見直させてくれた。
人間同士の無数の差異など瑣末事でしかないことを痛感させ、共通の利益というものの意味を実感させてくれた。
そしてさらに、歴史の方向を変え、人間であることがどういうことかをも定義し直してくれた。
今日このときより、世界の諸民族と諸国家がいかに深く相互に依存しあっているかを、我々は決して忘れることがないだろう。

諸君は日本を愛し、この日本を守り抜くために自らの才能と技術を差し出し、命すら投げ出す覚悟を固めている。
諸君と共に戦列に立てることを、私は心から誇りに思う。

3月11日は日本の祝日だけではなく、地球上のあらゆる国家が肩を組み、こう叫ぶ日となるだろう。
”我々は決して従容と死を受け入れたりしない!我々は生き続ける!生き続けてみせる!”と。
その日こそ、我々は真の独立記念日の祝うのだ!

アメリカ軍作戦名
「Operation Tomodachi」

☆☆

じーんと感動したのもつかの間、これはどうやら映画「インデペンデンス・デイ」の大統領演説のパロディらしかった。日本の指導者がこの演説の10分の1でも力のあることばを話してくれれば、と願ってはみたのだが。

今日もやはり、スーパーはあらゆるモノが品切れで13時にもう閉店のところとか、入店制限をしている店とか、レジ待ち40分とか。牛乳は4軒まわって、ついにどこにも見つけられなかった。

小学校は計画停電にともない、明日から給食停止、早めの帰宅になる。食べ盛りの男子二人分の最低限の食料を確保するのにも一苦労する。被災者の方々の困窮を思えば苦労にも入らないが。

今週一週間のイベントの延期と中止の連絡が殺到。記者会見、試写会、コレクション、すべて中止または延期。前評判が高い映画「唐山大地震」の公開も26日に予定されていたが、これも被災者の心情を考慮して延期となるとのこと。よけいなエネルギーを使わない、ということも今は消極的な協力になる。

2 返信
  1. えみです
    えみです says:

    いつも楽しみに読ませていただいています。鶴見川を挟んできっと我が家と近隣にお住まいなのかなと。みんな家にいなくちゃいけないこの”震災ストレス”をとにかく買占めることで発散しているように見えますが。パン・牛乳・卵より米と味噌と塩さえあればと私は思っています。切干大根やヒジキなど発酵食品を豊かに食してきた日本人の食生活の知恵を今こそ発揮しましょ。わたしはこんなときこそ、ピアノの練習に打ち込みます。電気不要です。

    返信
  2. kaori
    kaori says:

    >えみさん
    「家にいなくちゃいけない震災ストレス
    ⇒買占め」のご指摘、なるほどなあと
    感じました。
    ひごろ閑散としたスーパーにまで人が
    殺到していて、なにやら「震災特需」の
    ような様相を呈しているのが不気味に
    見えました。
    地震直後の行動で、日本人は本来の冷静さ
    や思いやり、がまん強さを思いだした
    (という表現もナンですが)ばかり。
    日本古来の食のすばらしさも思いだす
    機会としたいですね。

    返信

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