移動中に見たDVD、「私の愛しい人 シェリ」。スティーブン・フリアーズ監督。20世紀初頭のベルエポックを舞台に、引退したココット(高級娼婦)と、19歳のお坊ちゃまの「これもひとつの恋愛」物語。ミシェル・ファイファーが枯れかけてなおゴージャスなココット。ルパート・フレンドが若い愛人。コレット原作。

お話の進展がいまひとつ、想定どおりで退屈なところもあったが、衣装とインテリアにたっぷりとお金がかけられ、ベルエポックのファッション絵巻を見ているようだった。写真や展示ばかりで見ていたポール・ポワレの流麗なドレス(の現代映画バージョン)が、これでもかというくらいにとっかえひっかえでてきて、それだけで眼福もの。

タイトルにしたセリフは、キャシー・ベイツがミシェル・ファイファーの香水をほめたあとで言ったひとこと。ブラックに笑えた。

40過ぎの女と20歳前後の男の組み合わせでも十分アリなのがフレンチスタイル。というか、鹿島先生はこのような組み合わせは合理的であるというようなことを、たしかどこかに書いていらした。年上の女から教えを受けた男が40になったら、こんどは20の女を「教える」、というふうに順繰りに「作法」なり「教養」なりを伝えていく、という文化がたしかにフランスにはあったのだろう。年齢の数字だけ見て、なんの想像力も働かせず、すぐにイロモノ扱いするのが当然というような文化は、その数字の奥に広がる豊かさを自ら拒んでいるということで、とてももったいないことをしていると思う。別にそのような文化を積極的に奨励するというわけではないのだが、あまりにも日本人は表層的で狭量な年齢枠にとらわれすぎて自ら可能性をせばめているのではないかと思うことが、時々ある。

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