「サライ」6月号発売です。連載「紳士のものえらび」でカガミクリスタルのグラスについて書いています。機会がありましたらご笑覧ください。

本誌今月号が「森」特集。癒されそうな美しい緑の写真がふんだんに。行ってみたい。とはいえ現実にそんな余裕もチャンスもないので、せめて脳内旅行。

西福寺住職の豊原大成(だいじょう)さん、80歳のインタビューが強い印象を残す。

「毎朝、本堂でお勤めをしますが、20人ぐらい集まる門徒の中には、遠くから電車に乗ってやってくる人もいる。雨が降ろうとも自転車でやってくる人もいる。どちらが苦労しているかといったら私ではないわけです。確かに、仏教の知識はこちらの方がある。偉そうに講義もします。でも本当に偉いのは門徒の人たちだという思いは、ここ70年、僧侶になってからずっと思い続けていることですね」

この謙虚さ。こういう思いが、門徒の人をして「雨が降ろうとも自転車で」通わしめるのだろう。

阪神・淡路大震災のとき、父・妻・娘を失ったという豊原氏の話は、かなりの重みをもってひと言ひと言迫ってくる。

「4人家族からひとりになった寂しさはどうしようもありませんでした。何か思っても話す相手がいない。今まで頼らずに生きてきたと思っていましたが、いわばこれまでの人生は父や妻、娘に守られた4輪の自動車のようなものだったんです」

同じようにつらい思いをしている人たちが、今たくさんいる……。

「天命とは」という問いに対する答え。

「自分がやりたいことではなく、ただひたすら人から与えられた仕事を全うしてきました。それだけです。受け止めることしか、私たちにはできないのです」。

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