一時期、日本の若い男の子の間でも流行った「ズボンの下げ履き」。英「ガーディアン」に最近の状況を伝える記事が出ていた。5月9日付。’Belt Up, youg man’ by Alex Needlam. 以下、面白いと思った部分を大雑把に抜粋。

Sagging Trousers (ずり落ちトラウザーズ)で下着を見せることに関し、フロリダは「禁止」。それ以前にもこれを禁じる圧力の前例は多数あり。オバマ大統領は、2008年の大統領選中に、MTVで「ブラザーたちよ、ズボンを引き上げよ」と発言。その一年前、ルイジアナのデルカンブルの市長は、お尻の下までジーンズを下げれば、6か月の禁固刑と500ドルの罰金を課す、と。

こうした権威からの圧力にもめげず、ずり落ちジーンズはストリートからはなくないどころか、形を変えて生き残っている。なぜに、かくもしぶとく?

答えはシンプル、「反抗」。このスタイルは、刑務所発。刑務所内での囚人は、自殺防止のため、ベルトを与えられない。ベルトなしでズボンをはかされるのだ。お尻を半分見せるはき方は、刑務所を連想させるのに、ストリートでこれをやると刑務所に入れられかねない。二重の犯罪的なイメージ。

また、「ケツを見せる」というのは、相手を侮辱する行為として、ヒップホップカルチュアでは何世紀にもわたって続く。ティーンエイジャーの間でグローバルに浸透しているSagging Trousersは、このカルチュアのややおとなしい変形版。

女性が浅めにジーンズをはくと性的魅力がアップするとみなされるが、男の子の場合、モラルパニックを引き起こすだけで、下げ履きには性的な意図はまったくない。それどころか、ゲイはだいたいにおいて、下げ履きを避けてきた。

下げ履き歴の長い、20歳前後の男の子たちへのインタビューもあり。「セレブもスケボー仲間もみんなこういうスタイルだから」という答えが多い。「お尻の肉がないのでこうなっちゃう」という拍子ぬけの答えも。流行し始めた90年代当初と違って、あまり「反抗」の意図は感じられないどころか、とんがった自己主張感もない。「みんなこうなので」。「あんまり考えてないし」。

真剣に考えているオトナがバカみたいに見えてくる皮肉。それこそが、今風の「反抗」?(これは私の個人的な感想)

0 返信

返信を残す

Want to join the discussion?
Feel free to contribute!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です