2011年8月23日
三池崇史監督の「13人の刺客」DVDで。三池印ならおそらくスーパーバイオレント、と覚悟はしていたが、想像以上の「斬って斬って斬りまくり」の血まみれ侍ムービー。
これもかなり好悪の分かれる作品。最初はお話に入っていきにくかったし、役者の滑舌もいまいちなのか、ストーリーがわかりづらかったのだが、中盤、13人の刺客 対 敵200人、の戦闘シーンに入るころから、三池印炸裂で、がぜんアドレナリンが噴出してくる。これ以降はもう、理屈抜き、アクションに身を任せるしかない勢い。残虐で冷血なバカ殿(稲垣ゴロウ!)への憎しみの持っていきかたも、うまい。「こいつなら殺されて当然」という感情を、ぐいぐいと盛り上げていく。
血みどろアクションやりすぎ、は、いつもの三池節としても、役者のたたずまいや動きが、ほれぼれするほど美しかった。役所広司や古田新太はすっくと立っているだけで絵になるし、伊原剛志の剣使いの流れるようなかっこよさったらない。「山の民」役の伊勢谷友介の野性味あふれる機敏なスピード感、日本の男の立ち居振る舞いというのはすがすがしく凛々しいものであるなあ…と思わされた一作。
「本気のバクチなら、はれるものは一つしかありません」
「ここぞと頼み、一点勝負をする」
「ショウジロウ、わしの背後に抜けたものを斬れ。一人残らず、だ」
「200両では、安すぎましたな」
「死が近づけば、人は生きることに感謝が生まれる」
アクションのさなかで発せられるセリフのほうが、はっきりと、印象的に聞こえた。他の場面の多くでは、もごもごと何言ってるのか不明なこともあり。アクション映画であるからこそ、セリフのユーモアや明瞭さが必要なのに、と少し残念。
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