山下達郎さんの「仕事力」の4回目、朝日新聞28日付。「文化を傷つけない」。誇大宣伝とバッシングの両方が、行き過ぎではないか?と思うことしばしばだった最近の風潮を、やさしい声でたしなめてもらったような感じ。

「過大な称賛と不必要な批判が錯綜し対立するたびに、文化は傷つき、人の気持ちもすさむように思えます」

周囲の雑音に負けずに仕事をすることがとても難しい時代、というのにも同感。今はかんたんに理不尽な批判(というかたんなる感情的な罵倒)をネットでまきちらすことができる。クリエイターにはそのことばが届いてしまうのだ。

「厄介なことに人間は、千の賛辞の中の一つの罵倒をすごく気にする動物なので、その中で冷静に自分の仕事を自己評価することは至難です。まして、自己の克己心だけでその苦しさを乗り越えていくことはさらに難しい」

で、大人たるもの、感情を超えて、「文化を傷つけない」ためにふるまおう、という達郎さまからの直球のメッセージ。

「だからこそ職種を問わず、仕事人になったら、好き嫌いと良しあしをきちんと区切って、他者の作品や仕事への敬意を払わねばなりません。一つの作品が形になるまでに費やす時間や労力は半端なものではありません。良しあしや好き嫌いがあるのは当然ですが、度を超した評価や批判は、文化自体をも曇らせていくものです」

今年の夏に、結局、気がついてみればいちばんよく聞いていた邦楽(というと、ちがうジャンルに聞こえるが)はといえば、達郎さん新作のアルバムからの「La Vie en Rose 」に加えて、10年以上も定番の「高気圧ガール」(発表は1983年)。流行り廃りの著しい音楽界にあって、「古くならない」作品を生み出すなんて、なかなか、できることではない。

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