男性誌で「恋」という特集をすることじたいに、「今」を感じる。内容もたっぷり充実していて、ありとあらゆる視点から「恋」についてマジメに考えている。

切り抜いて単語帳みたいに使える格言カードもおもしろい。表に「問い」があって、裏に作家の言葉が「答え」として書いてある。「振られてばかりいる」という問いには、「恋を得たことのない人は不幸である。それにもまして、恋を失ったことのない人はもっと不幸である」という寂聴先生の答え。

美術、音楽、文学、マンガ、映画、哲学、Jpop、アイドル学、動物行動学などと「恋」をからめた記事もおもしろく、きちんと読めば、たぶん教養も高まる仕組み。

なかでも落語と恋を語った立川談春さんの話に、日本的な恋というものを考えさせられる。タイトルがうまくまとめてあって、「恋より情。相手との距離を埋める行為のつながりが関係性を生む」。

まず出会いがあって、そこから情を通じて距離を近づけていく、というのは、吉原でも、仲人を通じたお見合い結婚でも同じ、という話。

コミュニケーションのテーマの延長で、落語論にも及ぶような話も。

「本当に好きだと思うなら、自分の伝えたいことを二の次、三の次にしてでも、『こういう伝え方をするとこの人は喜ぶだろうな』と考える場面も出てきたんですよね」

女性誌っぽい?と表紙を見て感じたが、とんでもない、ブルータスならではの軽やか骨太な教養特集だった。拍手。

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