◇ブランドのイメージを高めるために、有名人に自社ブランドの服を着てもらう。セレブリティ・エンドースメントと呼ぶのだが、その逆パターンが、最近立て続けにニュースになっていた。

新しいところでは、ラコステ。7月22日にノルウェーで77人を無差別に殺害したBreivikが、ラコステ愛用者だった。ワニのマークがくっきりとわかる赤いセーターを着て警察の車に乗った写真が、世界に配信されてしまった。

ラコステ側はブランドイメージが傷つくことを恐れ、ノルウェーの警察に、Breivikにラコステを着用させないように懇願。だけど、Breivikは囚人服を着ることを拒否し、自分の服を着続けることを主張しているのだという。で、現場検証のために再訪した犯罪現場でも、やはりラコステを着て、写真に撮られている。

ラコステにとっては、悪夢でしかない。とんだ災難でしたね…。

記事のソースは英「インデペンデント」9日付。Lacoste begs police: please stop mass killer wearing our clothes.  by Tony Paterson.

http://www.independent.co.uk/news/world/europe/lacoste-begs-police-please-stop-mass-killer-wearing-our-clothes-2351641.html

◇もうひとつは、アメリカのアバークロンビー&フィッチ。8月18日前後に各紙で話題になっていた古いニュースなのだが。オールアメリカンなイメージのあるアバクロだが、人気テレビ番組「ジャージー・ショア」に出演している俳優、マイケル・ソレンティーノに、「ウチの服を着るのをやめてくれたらお金を出す」と申し出たとのこと。というのも、ソレンティーノとアバクロのイメージが結びつくことが「著しくブランドイメージを傷つける」ことになるから。

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ソースは、8月11日付「テレグラフ」。Why pay a celebrity not to wear your clothes? By Stephen Bayley. 

セレブリティ・逆エンドースメント。着られたらイメージダウン。着ないでくれたらお金を出しますって…(笑)。服はいったん世に出たらもうあとはブランドが関与するところではないはずなのだが。

セレブリティ・エンドースメントの支配がいかに現在強力なのかということを、あらためて知らされたお話でもあった。

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