「三銃士」3D。おなじみのデュマの古典を、プロットの基本はおさえながら、空中を飛行する海賊船みたいなのを飛ばしてまで派手にスケールアップした豪華版。

Three_musketeers

監督がポール・アンダーソン。アトスにマシュー・マクファーデン、アラミスにルーク・エヴァンズ(やや存在感が薄い)、そしてポルトスにレイ・スティーヴンソン(英テレビドラマ「ローマ」で大ファンになった方である。大スクリーンでお目にかかれて嬉しい~)。

ミラ・ジョヴォ様の、サービス満点の下着姿でのセクシーアクションといい、オーランド・ブルームのキザな悪役っぷりといい、「パイレーツ」シリーズも連想させるCG駆使のいまどき戦闘シーンといい、金がかかってるな~と思わせるセットといい、批評家ウケは悪そうな要素はたくさんある。

しかしながら! お金を払って観る一観客として、これほどたっぷり楽しませていただければ大満足である。っていうか、これまで映画化された「三銃士」はすべて観てきたが、今回の映画が、もっともお話がわかりやすかった。

17世紀初期のコスチュームをいまどきの嗜好にアレンジした衣装も、楽しい。「歴史的事実に忠実ではない」かもしれないけれど、今ならこうだ、というその解釈のしかたは素敵。フランス王と英バッキンガム公の衣装合戦も感心しながら笑えたし、三銃士たちがくつろいでいるシーンでのシャツ姿もよかった。襟元にそれぞれ違う、こまやかな刺繍が施されているのだ。17世紀の騎士ファッション特有の、折り返しつきのブーツ、あれ、今みてもスタイリッシュでいいなあ。もう一度流行しないだろうか(笑)。

Three_musketeers_balcony_shot_crop

そんなこんなの眼福エンターテイメントとして観てるだけでもいいのだが、なぜいまこの時代に三銃士の物語?と(むりやり)考えたときに響いてきたセリフが、ダルタニアンの父が旅立つ息子へ贈った言葉、’Fight, Love, and Live (闘って、愛して、生きなさい)’。

そして、祖国への忠誠という「大義」か、目の前の「愛する女性」か、どちらかを選ばなくてはならなくなった切迫した事態において、アトスがダルタニアンに言ったことば。’Choose the woman. France will take care of itself(女を選べ。祖国はなんとかなる)」。←セリフうろおぼえで必ずしも正確ではないかも。

大義などロクなもんではない、ということは先日のエントリーでも書いたばかりだが。世界中で今もなお、何かのために闘わなくてはいけない人たちに向けたメッセージのようにも聞こえる。

思えば、戦意高揚映画「カサブランカ」では、ボギーは女を選ばず、大義を選んだのだった。それがどういう結果をもたらしたかは、歴史を見ればわかる。

「三銃士」のオリジナルは、フランス王と王妃に忠誠をつくした銃士たちの物語、というふうに表向きは装っているが、実はこういう大胆な現代的解釈をしのばせることも可能なのね、と勝手に感心。

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