楽しみにしていた、コシノジュンコさんの「仕事力」2回目。「センスとは、状況判断である」(朝日新聞6日付)。

どんな分野であれ頭角を現すために必須のセンス。そんなセンスとは磨くことができる能力である、という前提のもと、では何がセンスで、どうやったら磨くことができるか、という話を、具体例を添えて。

「センスは4つの意味を含んでいると思います。『感覚的』『経験がある』、それについての『知識を持っている』。そして瞬時にどうすべきかの『状況判断ができる』。

「手に触れたものが何で出来ているのか、今見たダンスになぜ感動したのか、どんなことでも自分のセンサーにかかったらつかまえて、私のセンスの引き出しに蓄えているのです。意識してそれを続けることですね」

キューバ大使夫人から送られた銀のフォークのブレスレットのエピソードを紹介して。「多くの困難な体験をしていらしたと思います。それでも虚勢を張ったり、何かで間に合わせたりするのではなく、その時、その場で伝えるべき魂を知っていることのすごさ。センスとは、つまり見た目がどうこうというのではなく、人間の総合力なのです」

日ごろからぼんやり感じていたことをきちんと言葉にしていただいたような印象。日々、偏見なくセンサーを張り巡らせていると、「この人、センスがいい!」とか「この店のセンスが抜群!」というような出会いには恵まれるもの。それを「どうしてそう思うのか?」と自分で消化していく作業を繰り返すことで、センスは磨かれていくはず……と信じて努力を続けてはいても、意外とできないのが、「状況に応じた伝え方」。理由はただひとつ、「勇気がないから」。あるいは「失敗を怖れすぎて臆してしまうから」。その時、その場の魂を瞬時に判断して過不足なく伝えられる。これはもう、行動力の問題で、現場体験を(恥をかきながら)重ねていくしかないのだろうなあ。

そういう場に臨んでも、「できたことだけが自分の能力のすべて」と考え、(もっとうまくできたのに、などと悔やんだりして)決して落ち込まないことが大事。今後の課題ですな。

センスの良しあし、テイストの良しあしが決して表層的な問題ではない、ということを言っている人は、イギリスの作家にもいる。たとえばヘンリー・フィールディング。ときどき読み返している名言の一つ。

A truly elegant taste is generally accompanied with excellency of heart. (真にエレガントなセンスは、おしなべてすぐれた心をともなっているものだ)

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