◇宇田川悟『最後の晩餐 死ぬ前に食べておきたいものは?』(晶文社)。各界の著名人と著者との、食をめぐる対談集。

登場するのは、島田雅彦、奥本大三郎、猪瀬直樹、荻野アンナ、南部靖之、磯村尚徳、小山薫堂、山本容子、逢坂 剛、田崎真也、辻 芳樹、千住 明、楠田枝里子、ほか。

食を語ることを通して、その人のことがわかる。たしかに。おそろしいことだ…(笑)。これまでの印象が一変した方もいれば、ああ、やはりそういうふうにお考えになるのですね、と納得させられた方もいる。食べることは、その人の生きる姿勢と直結する(こともある)らしい。

最後の晩餐に食べたいもの、あなたの場合は? と読者は自問を迫られる。私の場合は、ない。聞かれてないが(笑)。食べることに執着がない。ほっとくと、というか一人でいると、ほんとうに何も食べないので、息子たちは旅行に行ったりしたときに、「ちゃんとメシ食べた?」と心配して電話をかけてくる(ふつう、その心配は親がするもんだが)。ということは、「生きることにも執着がない人間」ってことなのかな。締め切り前には意識的にステーキとか焼肉を食べるが、「燃料」というイメージ……。もちろん、友人と食事をする社交は大好きだが、その場合も、会話が盛り上がるようなサービスを供していただけるレストランでさえあれば、何でも美味しく食べられる。

でも、最後の晩餐(?)として飲みたいお酒、これを飲まなきゃ死ねない、というお酒ならばある。クリュッグかポル・ロジェのシャンパーニュ⇒ムルソー⇒モンラッシェ⇒ロマネ・コンティ⇒カルヴァドス(高い酒ばっか? まあ、あくまでも勝手な「夢想」なので、ご寛恕)、このへんでまだ意識があったらカクテルへ、そうだな、サイドカーがいいかな。甘く終わるのもなんなので、締めにスーパードライなマティーニ。これを飲み終わるころになると現世での後悔なんぞもすっかり忘れて、すんなりとあちらの世界へ行ける準備が整っているだろう。やっぱり、現実を実質的に生きてない、というか、地に足がついてない姿勢があらわれているようだ(苦笑)。

タイトルにしたのは、奥本大三郎さんの言葉。昆虫の話、ではあるけれど、生き物(人間含む)全体について言える言葉として。

2 返信
  1. かいしん
    かいしん says:

     中野香織様、はじめまして、こんにちは。かいしんと申します。よろしくお願い申し上げます。らみいさんのお導きにより、こちらのブログを知り、拝見しております。
     「最後の晩餐」に何を食べたいかという問い…、真剣に考えれば、何も喉を通らないというのが一つの答えでしょうか。あるいは、信念を貫き何かを成し遂げた上での覚悟の「最後の晩餐」ならば、思う存分、美酒に酔い、山海の珍味に舌鼓を打つというのも良いでしょう。もはや、胃腸や肝臓の心配をする必要もないでしょうから…(笑)。しかし、通常の人生を歩んでいれば、恐らく、それが「最後の晩餐」であることを知らずに迎えるのでしょう…。常に考えているわけではありませんが、ふと、これが「最後の晩餐」かも知れないので大切にしなければ…と思うことがあります。
     中野様の「最後の晩餐」(?)、クリュッグ(KRUG)とロマネ・コンティ以外は存じませんが、いずれも相当に高級なお酒なのでしょう…。クリュッグの事を少々調べましたら、非常に高価なものがあるようで…、おっしゃっているクリュッグはクロ・ダンボネ(clos d'Ambonnay)でしょうか。
     ロマネ・コンティは名前を存じているだけですが、クリュッグは一度だけいただいたことがあります。もちろん、グラン・キュヴェ(Grande cuvee)ですが…。以前、あるホテルに宿泊いたしましたら、そのホテルのハウス・シャンパーニュがクリュッグでした。お得な値段で提供されていましたので、夕食の際、このような機会は二度とないかも知れないと思い、ハーフボトルを注文いたしました。高価なだけあって、優雅なシャンパーニュだったと記憶しております。そして、あれから何年も経ちますが、予想通りと申しましょうか…、クリュッグをいただく機会には恵まれておりません。
     「最後の晩餐」、まずはクリュッグで乾杯というのも、良いかも知れません…。

    返信
  2. kaori
    kaori says:

    >かいしんさま
    丁寧なコメントをありがとうございます。
    お読みいただき、光栄に存じます。
    らみいさんのお友達の方でしたらば、
    さぞかし高尚で繊細なご趣味をおもちなのではと、恐縮しております。
    書き連ねましたお酒の名前は、
    一、二度いただいて強く記憶に残って
    いるものを妄想のままに
    書き連ねました程度でして、
    クリュッグの細かいランク分けなどは、
    価格に天地の差があることだけは
    知っていても、
    詳細を覚えられる由もありません(汗)。
    ムルソー、モンラッシェは白ワインです。
    こちらもランクによって価格に
    はげしい差はありますが、でも、
    普通に普及しているラインのものでも、
    厚みと華とドラマ性を感じさせます。
    カルヴァドスはりんごのブランデー
    で、行きつけのバーで、
    「旧マヤ暦最後にふさわしい、
    世界でいちばんおいしいお酒」
    と注文したら詩心のあるマスターが
    出してくれて、それで知りました。
    あ~こういうことを書いていると
    三時のコーヒーの代わりに
    ワインを飲みたくなってきますね(笑)。

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