読者の方に勧めていただいたのが、マンガ版の「バーテンダー」。比べてみるのも一興かと思って、まずはこちらを大人買い。ドラマ版の「バーテンダー」。ネイルや移動や待ち時間に、全8話完。

「マッドメン」の、大人の目配せ風なシブい演出にすっかりはまってしまっている身には、このドラマのわかりやすすぎる演出がどうも子供っぽく感じられてしかたがなかったが、相葉雅紀の魅力的なバーテンダーぶりに、それもさほど気にならなくなった。

流れるような、でもメリハリのある、相葉くんの美しい所作に、毎回惚れ惚れ。カクテル道は茶道にも通じるところがあるのかな。すべての動作に意味があって、ムダがない。一つ一つ丁寧におこなわれる作業、そのプロセスを見守ることもまた、「カクテル(茶)を味わう」ことに含まれるらしい…。美しいカクテルが作られていく過程そのものに、その都度ドキドキさせられる。「どうぞ」と言って客にグラスをさしだすときの相葉くんの慎ましい自信にあふれたさわやかな笑顔は、実際にカクテルを飲まなくても十分「魂の薬」になった(笑)。

毎回、客の悩みや問題をカクテルを通して解決していく、というお話もなかなか楽しかった。「神のグラス」にふさわしい酒が、「すべての人に等しく完璧な一杯」なのか、それとも「目の前の、絶望している人の心を救う一杯」なのか、という問いかけは、他の職業にも通じる話。「一生をかけた仕事に背を向けるということは、一生を放棄するに等しい」「自分に足りないものを探すよりも、自分がお客様に何ができるのか、身を削って考えろ」というセリフもまた。

たくさんの印象的なカクテルが登場したが、やはり究極は、’XYZ’。「終り」のカクテル。終わりを受け入れるからこそ、新しい気持ちで前を向ける。終りのカクテルは、始まりのカクテルでもある。なんだかいろいろ重ね合わせてしまって、眺めているだけで泣けてきたグラス。

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