整数次倍音、非整数次倍音、についてわかりやすく教えてもらいたい、と思って買ってみたのだけれど。中村明一『倍音』(春秋社)。

音をめぐる文化論。お話が広範にわたりすぎて、ポイントがつかみきれないと感じたところもあり…。でも、「一音成仏」(ひとつの音にすべてを包含する)とか、尺八演奏家ならではの言葉や視点に、なるほどと思わされる気づきもあった。

「無意識の領域を鳴り響かせる」という点に関し、あらためて心に刻みつけておきたいなと思ったのは、ユングの引用。

「元型とともに語るものは千の声をもって語り、人を掴み、圧倒し、同時にその語るところのものを、一回限りの移ろいゆくものから永遠にあるものの域にまで高めます。個人の運命を人類の運命に高め、それによって、これまで人類に、その時々のあらゆる危険から脱出し、どんなに長い夜をも耐え忍ぶことを得させてきたあの救いに満ちた力を、私たちの内にも呼び覚ますのです。

これが芸術の効用の秘密です。創造のプロセスとは、少なくとも私たちにたどれる限りでは、元型の無意識の賦活であり、それを発展させ形づくって、完成した作品に仕上げることにほかなりません」(ユング『創造する無意識』、平凡社)

Life goes on. だけれど、たぶん、「元型」をたどるというか、元型を発見する(元型に気づく)ことが(自分の仕事において)カギとなるミッションの一つなのかなと思う。

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