こんどはフィリピンのミンダナオ島で台風・洪水。400人を超える犠牲者の多くは就寝中に洪水に襲われたとのこと。

こういう不条理な自然災害の報道を見聞きしたあとに、ファッションニュースの欄を見なくてはならないときに、どうしようもなく虚しくなったり無力感を覚えたりすることがある。エリザベス・テイラーの真珠のネックレス「ラ・ペレグリーナ」が9億円超で落札したとか。なにそれ。同じ地球上で起こっていることなんだろうか。あまりの乖離。

そんな両極端の現実が存在することに目を向けさせる広告キャンペーンが、物議をかもしている。ダナ・キャランの2012年春夏キャンペーン。

Donna_karan_haiti

ブラジルのモデル、アドリアーナ・リマがハイチにおいて現地の貧しい少年たちとともに同じショットに収まっている。リマは高価なダナ・キャランをまとい、少年たちはうすよごれた普段着を着て。

ダナ・キャランは志をもってこのショットを世に問うた。彼女はHope & Help & Rebuild Haiti という慈善組織を創設して、震災から立ち直れないでいるハイチを支援しようとしている。このキャンペーン写真も、ハイチの現状に人々の目を向けさせるという意図で制作されたようだ。

だが、これがまったく「帝国主義的な無神経」であるとして不快を表明している人もいる。ソースは「テレグラフ」の記事。

http://fashion.telegraph.co.uk/news-features/TMG8961221/Donna-Karan-courts-controversy-with-new-campaign-shot-in-Haiti.html

以下、つぶやきにちかい私の感想。

たしかにショッキングな写真。日ごろ自分が感じている不条理をそのまま映しだしているかのよう。不本意な災害に見舞われて貧困から立ち直れないでいる世界と、ラグジュアリーなモードの世界という、極端な二極世界が共存しているということ。両者は無関係に乖離しているのではなく、つながっている、つながり続けなくてはいけない、ということを訴えているダナ・キャランに、私は敬意を表したい。広告表現としても、これくらいのショックと引っ掛かりを感じさせ、議論を呼び起こすくらいの方が、ハイチのことを忘れないという目的のためには効果的だと思う。ダナ・キャランの広告としても、チャリティや支援を積極的におこなっていることが認知されただけでも効果大だったのではないか。でもこういう見方もまた「帝国主義的な無神経」なんだろうか?

6 返信
  1. hon
    hon says:

    何か突拍子もない事をするのは勇気もいるし、当然叩かれもする。
    全部織り込み済みでやったのではないでしょうか?

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  2. 石川直子
    石川直子 says:

    中野さま、新聞のコラムでファンになりました。本になったのですね。ファッション業界に関わる者として本日のリポートに同感です。
    今朝のCNNに北朝鮮の実態をリポートしたことのあるAlina Choが出演しておりました。ご存知の通り彼女は数年前からファッションジャーナリストとしても活躍されており、その装いはみるみると変わり、今ではすっかりファッショニスタ風。今朝は首には輝くばかりのネックレスをして、飢餓に苦しむ北朝鮮の人々の話していました。まさに我々が矛盾に満ちた世界に住んでいることを再認識する場面でした。とはいえ、ファッションは重要文化として、国の伝統を支えたり、人を幸せに出来るものとして繁栄して行って欲しいもの。そんな中で、(最近FITのファッションイベントプランニングのコースで学び)最近の風潮であるファッションイベントとチャリティーの抱き合わせは、本当に素晴らしいと思いました。

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  3. kaori
    kaori says:

    >石川直子さま
    ありがとうございます。
    Alina Choのことは知りませんでした。
    豪華なネックレスをして飢餓のレポート…。
    似たような光景は頻繁に目にしますね。
    矛盾とか、断絶、乖離、不条理なんかをしっかり認識しながら、できることは何か、考えて、やっていくしかないですね。

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  4. Johng939
    Johng939 says:

    Hello.This post was extremely motivating, especially because I was browsing for thoughts on this subject last Thursday. ceddeegfkede

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