粛々と業務をこなしたあと、to respect myself のためにちょっくら現実逃避をしたくなった。子どもたちは旅行に行ってしまったので、つかの間の解放ならば許される。イヴを一人で過ごすというシチュエーションでも気が滅入らないための絶対必要条件は、「クリスマスソングが流れていない」こと、かつ、「クリスマスのデコレーションなんてかけらもしてない」こと。そんな心優しい場所は、私の狭いテリトリーのなかで知る限り、一か所しかない。

期待を裏切らず、いつもどおりの骨太なポリシーであたたかく迎えてくれた「ル・パラン」で、ヘミングウェイが愛したというシャンパン+オレンジのカクテル(とある有名なパリのカフェの名前がついてた……忘れてしまった)。これがイチゴととてもよく合って、華やかな気分になる。

(追記:その後、名前を再度教えてもらった。モンパルナス界隈にあるカフェ「クロズリー・デ・リラ(Closerie des Lilas)」だそうです。ヘミングウェイはこのカフェで『日はまた昇る』を書いたらしい。芸術家の名がどんどん流れてくるHP http://www.closeriedeslilas.fr/ )

締めに「アレキサンダー」というカクテル。エドワード7世が、デンマークから嫁いできた王妃アレクサンドラに捧げたのでこの名前になったそう。ブランデー+カカオリキュール+生クリームの、かなりリッチな、どちらかといえば「ケーキ」のようなイメージのカクテル。ここのマスターバーテンダーの本多啓彰さんは、私が「甘いものキライ」なことを知っていて、あえてこういうのを出してチャレンジさせるのだな。すごい自信である。で、飲んでみると、偏見がくつがえって、おいしさに感動する。

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「酒とバラの日々」でジャック・レモンの妻がアル中になるきっかけになるカクテルが、まさにコレなんだそう。なるほど、ケーキのように甘やかしてくれる印象がある。

かすかなシガーやら葉巻の香りの中、深く、こっくりとした時間を過ごし、少なくとも、自分へのrespectは失わずにすんだ……(かな)?

本日の記憶をよみがえらせる音楽。Christophe Rousset 演奏による「バッハ・ファンタジー」。琴線にふれる、という表現をつい思い出してしまうようなアルバム。ありがとう。

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