1994年にスタートした「D&G」が、今シーズン(2012 春夏)をもって17年の歴史の幕を閉じる。今後は、メインブランドである「ドルチェ&ガッバーナ」に一本化していくようだ。「ハイ・キャンプ」なイメージを強く帯びるD&Gのロゴは、今後、メンズのベルトやTシャツに使われていくという。

"All good things come to an end"(あらゆる良きものは終わりを迎える)と題された英「インデペンデント」の記事。1月30日付。

http://www.independent.co.uk/life-style/fashion/features/all-good-things-come-to-an-end-6296402.html

このD&G終焉の理由に関しては、昨日付「WWD」vol.1672 の巻頭、編集長の山室一幸さんによる記事で、衝撃をより深くした。「ファッションと出版物の類似品問題を正す!」というタイトルがつけられた、心を揺さぶられずにはいられない内容だったのだが。D&G問題を氷山の一角とする根が深い問題だと感じたので、かいつまんで紹介。

デザイナーが半年間、心血を注いで作り上げた作品が、またたくまに平然とコピーされ、安価なファストファッションとしてストリートに並ぶ。この事態がすっかり容認されてしまっている現在の事態は、ファッション文化の発展を阻害するゆゆしき問題、という指摘から始まる。

D&Gが撤退を余儀なくされたのも、日本のガールズブランドをはじめとするコピー商品が市場に氾濫し、オリジナルが店頭に並ぶ頃にはすっかり陳腐なものに見えてしまった結果、ビジネスに支障をきたしたことに起因する、と。

そういう哀しすぎる現状があればこそ、オリジナリティとにせものをきっちりと見極めることがファッション・ジャーナリズムに求められる使命である、と山室さんは考える。

しかるに。

昨年12月に伊藤忠ファッションシステム社から創刊された"Style Sight by Fashion Freak Tokyo"が、レイアウトからタイポグラフィ、内容にいたるまで、INFAS(WWDを発行する会社)が発行している"Fashion News"と瓜二つである事実が、証拠としての写真とともに紹介される! 

「奥付に弊社が依頼したグラフィック・デザイナーの名前がクレジットされているので、おそらくは保管されていたレイアウトデータを流用したものと推察される。法的な見地からすれば、『デザインの著作権はクリエイターに帰属するもの』という主張もあるのだろうが、雑誌は編集部スタッフとアートディレクターとの共同作業によって生み出された『作品』である。一緒にモノ作りに携わってきた" 同志"の心情を裏切る行為は、果たしてプロとして道義的に許されるのだろうか。誌面を眺めながら、私たち編集部はドメニコ・ドルチェやステファノ・ガッバーナも味わったであろう、砂を噛むような失望感を抱いた」

山室さんはあくまで冷静な筆致で記しているが、どれほどの失望感と悔しさであっただろうか。

クリエイションそのものばかりではなく、それを報じるジャーナリズムのほうにも、「パクリ」が平然と行われ、その事態が罰せられず容認されてしまっているという、すさまじい現状。

ただのファッション界の内紛、として片づけられるような問題ではないと思う。日本人があたりまえのように持っていた良きモラルが、その大前提から失われてしまっている。「あらゆる良きものは終わりを迎える」。ここにおいてもか?

「広告クライアントに気を配り、コピー商品までもが誌面を席巻するようになった結果、クリエイションの真贋やプロとアマチュアとの境界線が曖昧になりつつある中で、ジャーナリストや編集者がオリジナリティを見極めていく真摯な姿勢なくして、日本のファッション文化は成熟しない」と山室さんは凛と高い志を示す。負けずにがんばってください!

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