蜷川実花監督による映画化が話題になっているコミック。岡崎京子『ヘルター・スケルター』(祥伝社)。

全身整形と絶えざるメンテナンスによってスーパーモデル級のつるぴか美女になった人気絶頂のヒロインが、ゆっくりと、次第に加速度的に、心身を崩壊させていく。

最後にヒロインがいきつく、というか自分を超えたその暁に手に入れるポジションをさらっと描いたラスト、が蜷川ワールドっぽいかな。崩れた肉体。片目につけたアイパッチ。蛇。フランケンシュタイン的人体模型。ロココな家具。羽根飾り。キャンドル。絢爛豪華な退廃美をどう見せてくれるのか、いまから楽しみ。

どんなに表面がキレイでも、何十万人の「ファン」がいても、自分が愛せない自分を抱えているかぎり、孤独で不毛で空疎な人生から抜け出すことなどできない、という普遍的なメッセージを底に感じる。効いたセリフがこれ。

[E:spade]「私は私を入れるような倶楽部には入りたくない」つまり、「私は私を愛するような人間を愛したくはない」ということ[E:spade]

4 返信
  1. たけい
    たけい says:

    「自分を会員にするような倶楽部には、
    入りたくない」は映画「アニーホール」
    のウッディアレンのセリフで初めて知り
    ました。元はマルクス兄弟からみたい
    ですね。
    今、アレンの昔の映画を再見しようかな
    と思っていた所でした。言葉で笑わせよう
    とする彼のスタイルが字幕で上手く伝わる
    か少しもどかしいんですよ。

    返信
  2. kaori
    kaori says:

    >たけいさん
    そのセリフの由来は知りませんでした! そうだったのですね。ありがとうございました。
    私もかすかにその手の自分嫌い?の気があるので、共感できるセリフでした。マルクス兄弟の時代から受け継がれてきた(^_^;)セリフだとすると、人間に普遍的な、誰もが折り合いをつけるべき感情でもあるのかもしれませんね。
    (もちろん、何の屈託もなく「自分大好き」な方もたくさんいらっしゃることと思いますが)
    アレンの映画はたしかにセリフが凝っていて、字幕では100%は堪能できないところがありますね。

    返信
  3. 松尾明日香
    松尾明日香 says:

    こんばんは。
    私もブログを拝見して
    「アニーホールだ!」と思いました[E:happy01]
    大好きなセリフです。
    元はマルクス兄弟。。。はじめてしりました。
    いつも新しい発見のある中野さんのブログ、大好きです!!

    返信
  4. kaori
    kaori says:

    >松尾明日香さま
    ありがとうございます。
    私も、おバカをさらす勇気をふりしぼって
    なに書くと、誰かしら物知りな読者の方が、教えてくださることが多いので、
    助けられている感じです(^_^;)

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