私は強運の持ち主です。ついに誰もなり手がなかったのでしかたなく「くじびき選出」になった小学校のPTA役員を引き当て、その上、代表(会長職)になってしまいました。今年の初めには全く予想すらしなかった運命の急展開です。

ただでさえ片づけきれていない膨大な仕事量で溺死しそうな生活。これ以上このような重責をどうやって…と絶望で泣きそうになりましたが、降りてきたものはたぶん天からの贈り物。謹んで取り組むことにした。

本日が公務の初日で、入学式における祝辞を述べるというお仕事。ふだんレクチャーなどではまったくアガったりしないのだけれど、「物議を醸さないように」注意して作り上げた原稿を「読む」となると、いつになく緊張してしまう。あれかな、「自分を抑えよう」とか「自分でないものを演じよう」とするとアガるんだろうな。でもいい試練になった。こういうふうに自分を鍛えられる機会なんて、めったにいただけるものではない。ちなみに、スピーチ原稿は、原稿料をいただいて書くふだんの仕事よりも、はるかに気を使うことになった。

で、これまでPTAなんて一生無縁だと思っていたのでこの制度について何も知らない自分に愕然とし、考えるきっかけになりそうな本を読んでみた。まずは、山本シュウの『レモンさんのPTA爆談』(小学館)。

コミュニケーション論としても面白かった本。熱いやり方はこの方にしかできないだろうが、笑ったり感心したりしながら、多くの示唆をいただいた。

「愛する」と「甘やかす」の違いなんて、重要。「正しく愛すると、相手は人としてカッコよくなるはず。甘やかすと、逆に人としてカッコ悪くなるはず」

もう一冊は川端裕人『PTA再活用論』(中公新書ラクレ)。実際に何年かPTAを経験しながら取材を重ねてきた著者による、現状整理と問題提起本。

各地の具体的な試みなども書かれていて、今後もしばしば参考になりそうな事例多し。

ちょっとした発見だったのは、PTAが戦後GHQによってつくられたものであったということ。「上からの押し付け」。だからかくも生き生きしないのだ。

「義務」から「機会」への転換、っていうのはいい言葉だな。たしかに、やってみると、自分の幅を思わぬところへ広げることができる「機会」なのよね。

などと余裕こいたようなこと言ってる場合ではない生活なのだが(T_T) 

3 返信
  1. ぽこっと
    ぽこっと says:

    ついに会長職始動!ですね。
    プラスへの捉え方、素敵です(*^^*)
    私も見習います。
    さらにお忙しくなるかと思いますがお体気をつけてくださいませ。

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  2. アラベスク
    アラベスク says:

    強運ニュースに唖然として私も思わずコメントさしあげます。
    毎日が綱渡り的なお忙しさにプラスアルファして
    今回PTA会長に就任されたとお聞きし、安否確認。
    どうぞ、どうぞ、お身体大切になさって下さいませ。
    PTA役員とかけてギャンブルと説く。
    その心は?
    どちらも親(心)が勝つ。
    PとTの同時兼務していらっしゃる方は
    世の中広しといえどそう多くはいらっしゃらないのでは
    ないでしょうか。
    いえ、いないかも。
    強運というより中野様の“学校教育への敬意”を強く強く
    感じました。
    1年間のPTA会長を溺死せずに終了されたら
    アルマ・マーラーの4カードどころではなく
    鮮やかなロイヤルストレートフラッシュです。
    サイ(妻)は投げられた。
    ブログでご紹介のチャーチルの名言
    “If you are going through hell,keep going.”
    任期終了時に“ロイヤルストレートフラッシュ”カクテルで
    乾杯を目標に突き進んで下さい。(笑)

    返信
  3. kaori
    kaori says:

    >ぽこっとさん、アラベスクさん
    ご声援ありがとうございます。
    そんなにエラいもんじゃないですが(^_^;)
    任務は長時間拘束される雑務に激務ですが
    「報酬:子供の笑顔のみ」みたいな
    世界ですな。それもまたロマンかな。

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