あるメンズファッションのプロジェクトの準備段階、ともいえないほどのプレ段階で出逢った、モア・ザン・パーフェクトに極められた装い。ネクタイは着用者ご本人の手縫い、この美しい立体感は、ウエストコートでタイが押さえられていることで生まれます(横から見ると、ふわっと優雅な立体的曲線を描いています)。フラワーホールの花は、薔薇。もちろん生花ですが、その花も本人が自ら手間暇かけて育てているもの。そして一点のホコリもシワもない、手入れのよいスーツ地の艶ときたら……! 写真でご紹介できないのが悔やまれますが、木型までご自分で削るという靴の光沢は、さらに妖しく深く、吸い込まれそうな艶をたたえています。

この方はファッションのプロでも業界人でもありません。でも、装いの細部、ひとつひとつにいたるまで、これほどの手間暇と愛情をたっぷり注ぐ方にはお会いしたことがありません。個性的な奥行きを感じさせるスーツスタイルにささやかな感動を覚えました。日本にもこんな際立ったダンディがいるのですね。

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