2012年7月3日
エドワード8世=ウィンザー公がテーマの講義をしてきたら、タイミングよく、フェイスブックにライターの山口淳さんが「ウィンザーノットを考案したのはウィンザー公ではない」という話をアップされていた。FBにも書いたのだが、こちらでも補足つきで。
ウィンザー公の「ファミリーアルバム」にはこんな話が書いてある。
「巷間言われているタイの『ウィンザー・ノット』は、のちに米国で採用されたものである。思うに、それは第二次大戦下でGIの制服であったものが、カレッジ・ボーイの間でも採り入れられたのであろう。が、事実は、私は何ら関与責任を持つものではない。私の名前を冠したこのノットは、細身のタイの二重結びであり、『スリム・ジム』と呼ばれることとがあった。正直申して、私は小ぶりのノットより見栄えがよろしいことで大ぶりのノットを好む。それで、1920年代に私はサンフォード氏とひそかに相談して、大ぶりの効果を出すべく、とくに素材の厚みを生かした多様性を堅持しうる大柄なタイを考案した」
ウィンザーノットとはすなわち、ウィンザー公を連想させるノット。そのように解釈しておけば、少なくとも、「間違いではない」わけですね。
ファッション史の起源話には、その手の、ゆるやかな解釈をしておきましょうよ、というようなのが多い。目くじら立てて厳密な正確さを追求するのも滑稽だしね。
(もちろん、それを正確にしなくては誰かの名誉が傷つくとか損害を受けるということであれば別だが……)
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