朝日新聞14日付、オピニオン欄、濱野智史さんのインタビュー「私たちは繋がり始めたのか」。

まったく盛り上がりを欠いてしらけっぱなしの政治と、活気づく路上デモやSNSとの関係をまとめたインタビュー記事。「なるほど」な視点だった。とくに的確だと感じた言葉を以下に引用します。

「いま世界を揺るがしているのは『思想=内容』ではなく、ネットワークでつながるという『形式』です」

「いま世の中を動かすために求められているのは、思想を唱え、人々を力強く導くリーダーシップではない。現に多くの人が集まるというフォロワーシップです。フォロワーが連鎖的に運動に参加し街頭を埋め尽くすという端的な事実こそが、多くの人々を集めるリーダーシップの役割を果たしています」

「ある米国の起業家がこんなことを言っています。『最初のフォロワーの存在が、一人のバカをリーダーに変える』」

「今の政治に欠けているのも、フォロワーシップですよ。リーダーシップがないからみんながついていかないんじゃなくて、みんながついていかないからリーダーシップになってないのです」

「フォロワーシップは、社会学者の小熊栄二さんの言葉を借りれば『われわれ』という感覚を醸成する。日本社会からこの感覚が失われてしまったことが、政治の機能不全につながっています」

「AKBがなぜあれほど盛り上がっているのか。ポイントは二つあります。ひとつは多様な選択肢があること。200人を超えるメンバーの中から、『コレだ!』と言える、主体的に選びとったという感覚を抱けることが重要です。もう一つは、参加感です。昔のアイドルのファンは『追っかけ』と言われました。文字通り、追っかけるしかなかった。でもAKBのファンは『推す』と言います」

「よく、民主主義には熟議が大事だと言われますよね。だけど大事なのは『熟す』ことで、『議』はあってもなくてもいい、というのが僕の考えです。いかにも民主主義が成功しているアメリカの大統領選挙だって、熟議の内容、つまりこの候補が掲げる政策が一番まともだから大統領でいいですねというのではなく、じっくり選挙を積み重ねていくことで、『われわれ』感が煮詰められ、熟していく。それが『俺たちアメリカ人が最高に納得する一人を選んだ』という納得感につながっているのだと思います」

「要するに、楽しいことが少なすぎるんですよ。ルールやゴールが複雑でわかりづらく、誰もが手ごたえややりがいを感じられる仕組みになっていない。祭と政。『まつりごと』をもう一度取り戻すべきです。今の政治は、みんなで盛り上がって決めたという祭り性を失っている。政策を真面目に比較して、より良い方に投票しろだなんて、みんなそんなに暇じゃありませんよ。まずは正しさよりも楽しさを目指すところから始めてみるべきです」

不在なのは、リーダーシップではなく、フォロワーシップだった! フォロワーが増えれば、「われわれ」感が高まり、政治はお祭りとなって「自分たちのモノ」となる……。

フォロワーを増やすためには? 政治家はSNSをビラまきの道具と考えずに、双方向性という特性を活用して自分の立ち位置を調整していく柔らかさを身につけるべき、と。

政治ばかりではなく、多くのことに応用できそうな考え方。

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