大量の仕事と連日の社交で少し疲れが出たのか、昨日は熱まで出た。悲喜こもごも、いろんなことが盛りだくさんに起きた一週間だった。コントロールできないことが暴走している現実もある。どんなにそのことを考えても現実が変わるわけではない。コントロールできるのは自分自身のみ。そんなときは、ひたすらブッダとか千手観音(になった自分)をイメージする(笑)。すべて受けとめ、対処できることには善処し、くだらなすぎることは、微笑んで流していく努力をする。しかるべき時がくれば、すべて、納まるべきところへ納まるだろう。心の痛みも、少しずつ、癒えていくだろう。そんなふうに考えながら安らかに過ごすには、まだまだ強い意志の力が要る。闘いの本当の相手は、外界の「敵」ではなく、自分自身だと思う。

PTA総会も無事終了し、次年度の役員へバトンタッチした。フルタイム率が高かったメンバーだったが、だからこそ、「慣例」をばっさばっさと省略して、風通しのいい効率的な運営ができた。ひとりひとりが、忙しい中でも「自分ができること」に貢献、というポジティブな姿勢だったので、横並びの協力体制がスムーズにできあがった。生活のペースや性格に応じた役割分担が、ごく自然に定まっていった感じ。いざ前向きで明るい気持ちでやってみれば、一年前の心配はすべて杞憂だった。もちろん、想定外のトラブルは起きるし、それなりのエネルギーを使ったのでたいへんはたいへんであったけれど、仕事やただの社交では得られない、貴重な、得難い経験ができた。こういうメンバーとともに奉仕することができたことを誇りに思うし、心からの感謝でいっぱい。総会を終えて帰るとき、ともに役員をつとめた友人が「かぐや姫が月に帰っていくみたい」とつぶやいた(笑)。かぐや姫はさすがにないけど(-_-;)、一年間「アウェイ」でがんばった感はあるかな。アウェイに身を置いてみてこそ、見慣れたはずの景色も違って見えてくるし、自分自身も強くなっていける。とりあえずしばらくは、PTAに時間をとられて滞っていた「ホーム」の仕事に全力を尽くさなければ。

そんなこんなの各種イベントがてんこ盛りだった今週、いちばん寛いで楽しかったのは、イギリス関係者数人と久々に「ル・パラン」を訪れた時。

ターンブルアッサーのフラワーホールドは、数回来てなじみになったらようやく教えてもらえる、とか、

ビスポークと吊しの両方着こなせてこそホンモノ、だからチャールズ皇太子のターンブルアッサーの吊しは正しいとか、いやそうではない実はあれには裏があってほんとうのところは、とか、

Vulcanize Londonの"z"、あれは正しくは"s"なんだけど、モンティパイソンみたいな意味があってあえて"z"になってる、でも別にそれは一般に知られなくてもよくてわかる人がわかってニヤッとできるのがいい、とか、

ここ(ル・パラン)のインテリアは完璧だけど、これで床がミシミシと言ったらもっといい、とか、トイレも昔のロイヤル・ドルトンの絵が描いてあるやつを探してこなきゃ、とか、

延々とマニアックな議論で12時まで過ごしたシンデレラタイム。

Bond_girl_martine
通常のマティーニより強いボンド・マティーニを2~3杯飲んで平気という酒豪ばかりだったが、さすがにマスターは私には配慮してくれて、小さなバカラグラスに作ってくれた。勝手ながらこれをボンドガール・マティーニと命名させていただきます。

かぐや姫やらシンデレラやらボンドガールやら、なんか今日は厚かましいわね(-_-;) ま、せめて脳内だけでもヒロインになりきらないと厳しい現実はなかなか乗りこえられない、ってことで、ご寛恕ね(T_T)。

 

2 返信
  1. 極楽トンボ
    極楽トンボ says:

    中野さま:おつかれさまです。貴信拝読いたしました。ターンブル&アッサーのブラウスは随分といれこんでおりました。懐かしいです。ACORNの2×2スパーファインコットンの前はターンブル一辺倒でした。生地を取り扱う仕立て屋が減ってしまったのが残念です。更にボンドガールとは素晴らしい!そう言えば初代ジェームズ・ボンドを演じたショーン・コネリーは、作品の中でジョージ・クレバリーのクチュール物の靴を履いていましたね。また数代後にボンドを演じた、ピアース・ブロスナンは「世界で一番ジョン・ロブが似合う男」と賞されていました。やはりイギリス映画。身だしなみを大切に、特に紳士は的を射た選択ですね。中野さまの益々のご活躍を応援しております。                           
    極楽 拝

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  2. kaori
    kaori says:

    >極楽トンボさま
    通なコメントをありがとうございます。
    お酒の席で、こういう他愛のないマニアックなネタで盛り上がれるのはいですね。誰の噂話をするわけでもなし、愚痴るわけでもなし。ついていけない人には取り残されたように感じることもあるので相手を選ぶ必要がありますが。笑。

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